見出し画像

【解説】インド総選挙とスズキ自動車

2024年は米国の総選挙が行われる事から大きな変化の年でもあると言われている。甲辰(きのえたつ)とは、何かが大きく変わる年だそうだ。それが大きな成長になるのか、意図せずとした方向へ進んでいくのか経済や国際関係、政治を見る事によって少しは先を見る事ができるのだろうか。

インドの歴史で最大の功績を残しているというインドのモディ首相はは在籍中に中国の人口を超すというインド経済成長の瞬間を見届ける事となる。しかし、モディ首相のバックグラウンドが右派の団体であり、ガンジーを称える過去の歴史を消し去ろうとしているとも言われている。事実、インドの若者の英雄はガンジーではなくモディ首相なのかもしれない。

そんなモディ首相が2024年に行われる選挙の地盤を固める為に様々な活動を行っており、今後の人口世界第一位の経済大国であるインドにすり寄る為に他国も必死である。高城氏のメルマガによると米国、そして米国の代理店的存在でもある日本の政治と国を引っ張る大手企業、日本の自動社メーカーの「スズキ」も、グジャラート州に工場を建設するとした発表はロイター通信で見る事が出来た。

https://www.reuters.com/business/autos-transportation/japans-suzuki-invest-4-bln-second-car-plant-indias-gujarat-2024-01-10/

Suzuki Motor Corporationは日本の自動車メーカーであるが、インド市場においてはMaruti Suzuki India Limitedという特別な位置づけにある。

Suzuki とMulti Suzuki の関係性

Maruti Suzukiは、Suzukiがインドで展開する自動車製造の旗艦企業であり、インド自動車市場のリーダーとしての地位を築いている程である。

何よりもも今回のロイター通信の発表によると、Suzukiは工場の生産ライン拡張に向け、350億ルピー(約4.2億ドル)の投資を行うことが明らかにされている。さらにMaruti Suzukiとして2030年までに6モデルのEVをラインナップに加える計画を発表しており、この新型車がインドとヨーロッパで販売されるだけでなく、Suzukiの本国である日本への輸出も行われること。

現在は75万台の生産数から200万台に増加させる事を目標としており、2031年までには400万代を目指すそうだ。これが上手くいけばSuzukiは、インドをタッグを組んだEV展開が世界を席巻するかもしれない。

気になるMulti Suzkiの大株主は2023年4月時点で約56.37%をSuzuki Motor Corporationが所有しているとの事で、半数以上を持っている。これを考えると余程の事が無い限りはMulti Suzukiに飲み込まれる事はないかもしれないが、Suzukiが日本車であるかどうかというラインに関しては日本人の認識は変わらなくても、世界的な見方は変わるのかもしれない。

何故、グジャラート州だったのか?

これはモディ首相の選挙戦略のひとつだとも言えるがモディ首相が再選した時に米国や日本は借りを作っておきたい。グジャラート州の票獲得の意図が込められており、モディ首相としては現地に雇用を多く作る事のできるビッグプロジェクトとしてインドに富や技術をもたらす可能性がある。

しかし、これが単にグジャラート州である理由が政治的なものであり、現実的に別の場所や州の方が良い条件だったという事もあるかもしれない。モディ首相が再選されなかった場合は見返りを得られないかもしれないと考えるとリスクもあるのかもしれない。

2024年4月〜5月に行われるとされているインド2024の総選挙。まず米国総選挙の行方に少なからずとも影響を与えるだろうと思われる。

インドはシーク教徒問題で米国、カナダ、オーストラリア、NZ、英国、多くの国でもめ事を起こしている。特にカナダとは国交の問題にまで発展している。そして冒頭にも記したように右派であるRSS(民族義勇団)出身である背景とヒンドゥー教徒以外に対する強硬姿勢はどこまで世界世論の支持を得る事ができるのだろうか?

インドのエルサレムであるアヨーディヤーのイスラムモスクからヒンドゥー寺院の変遷は驚くべきものでもある。確かにイスラム教徒からの反感を買う個とは間違いない。

高城氏が言及する通り、インドの宗教問題は経済成長をすればする程根深い。そして、世界経済や全てのビジネスにおいて避ける事のできない大国となっているのは確実である。英語の達者な彼らがどこまでも世界に羽ばたくフェーズから、今度は国外に散ったインド人達と国内のインド人が協力をし民族蜂起が起きる「内戦」状態に陥る事となる事象は、大国であるインドとしては避けられないのだろうか、それともモディ首相と民主主義がもたらした混沌に違いないのだろうか。

この先の2024年の春、インドの総選挙にも注目だ。

Future Report Vol 659 Vol.1「世界の俯瞰図」

#高城剛メルマガ解説
#民族義勇団RSS
#インド経済
#高城剛
#グジャラート州
#2024インド総選挙
#高城未来研究所
#世界の俯瞰図
#FutureReport

Photo by Nick Nice

この記事が参加している募集

一度は行きたいあの場所

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?