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仕事のための仕事

自分は「仕事のための仕事」をしていたんだ。

これは、数年ぶりに会った友人に気付かされたことである。


私はIT関連の仕事をしているサラリーマンである。

お客様先に常駐して、システムの開発をする日々を送っているしがないサラリーマンである。

お恥ずかしい話ではあるのだが、仕事にやりがいを感じられずに日々を過ごしている虚しいサラリーマンである。

自分はなぜこの仕事をしているのだろう、何が不満なのだろう。

職場の人間関係は悪くなく、仕事上で問題を抱えているわけでもない。

そんな自分は何に不満を抱いているのかがわからず、悶々としながら日々を過ごしてきた。


そんな日々を過ごしている中で、友人から気付かされたことがある。

自分は「仕事のための仕事」をしていたんだ。

あなたは誰のための仕事をしていますか?

この記事が、読んでくださった皆様の一助となれば幸いである。


友人との関係について簡単に説明しておこう。

友人とは小学生から面識があり、大学の研究室で苦楽を共にした間柄である。

友人は一般企業で数年働いた後、独学で公務員試験を突破し県の職員として仕事をしていた。

地方に住む人達からすると、誰もが羨むような経歴を持つ友人であった。

社会人になってからは、連絡を取ることもなく疎遠となってしまっていた。

そんな友人と再会したのは、共通の友人の結婚式であった。

結婚式に集まった友人同士で近況報告をている中、その友人から意外な話を聞かされた。

仕事を辞めて今はフリーランスとして働いているんだ。

なぜ.. 

周囲の結婚式の参加者達からは疑問の声があがった。

誰もが羨むような経歴の持ち主である。

安定した仕事、安定した給料、なぜ... なぜ...

皆の疑問が木霊する。

友人は言った、「仕事のための仕事」をすることに疲れたんだよ...

この時、自分は友人が何を言っているのか理解することができなかった。

友人が仕事について語り出した。

自分は誰かが仕事をするための準備をする仕事をしていたんだよ。

自分の仕事が、誰のための仕事なのかがわからない。

自分の仕事が最終的に誰の役に立つのかがわからない。

誰が幸せになっているのかがわからない。

一般企業で仕事をしているときには、少なくともサービスの利用者を思い浮かべながら仕事ができていた。

誰かの役に立っている実感があったんだ。

周囲に沈黙が訪れた...

自分は誰のための仕事をしているのだろう。

自分は誰の役に立っているのだろう。

自分は誰を幸せにしているのだろう。


結婚式の帰路の中で、友人の言葉を思う自分がいた。

自分は誰のための仕事をしていたのだろう、何のための仕事をしてきたのだろう。

自分が抱えていた不満や疑問は、誰のためかをわからないまま仕事をしていたせいではないか、誰を思い浮かべられずにいたせいなのではないだろうか...

自分自身の仕事を思い返してみても、構築したシステムをどのように使用しているのか、どのように思っているのかを利用者から直接聞いたことがなかったのである。

誰のための仕事かもわからず、何のための仕事なのかもわからずにいる自分がそこにはいた。

友人の言葉を聞いて、自分が何に悩んでいたのかを気づくことができたのである。

誰が幸せになっているのだろう、システムを利用している利用者は喜んでいるのだろうか...

私自身も「仕事のための仕事」をしていたことに気付かされたのである。

あなたは誰のための仕事をしていますか?

現状の仕事に悩んでいる方がいらしたら、この言葉を送りたい。

誰のための仕事をしていますか?

誰を幸せにしていますか?

「仕事のための仕事」をしていませんか?


最後に友人から仕事の意味について考えさせられるきっかけとなった、この言葉が皆様の人生の一助となれば幸いである。



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