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【セトラーがサポーター企業に学ぶ】遠州織物の魅力と歴史

noteをご覧のみなさん、初めまして!
静岡県浜松市出身の工藤美桜です。
6月5日から開始予定のアナザー・チュウブ展を担当します!
アナザー・チュウブでは、皆さんにチュウブ地方の魅力をお伝えするために絶賛仕入れ中です。
今回はそんな私の出身地に根付く「遠州織物」の紹介をしたいと思います!
チュウブ展でもじっくり特集させていただくので、遠州織物についてもっと知りたい!と思ってくださったら店舗に来てくださると嬉しいです😊

私は慶應義塾大学の総合政策学部3年生で、マーケティングの研究会に所属しており、研究会のフィールドワークも兼ねてHUISの松下さんにはとことん勉強させていただきました!
研究会では日本の伝統的な産業や工芸などを如何にして残してくかについて研究しており、来期以降は文化起業家をテーマに研究を進めていきたいと思っています。

本日から第3回に分けて遠州織物の魅力、HUISさんの魅力について語っていきます!🌟

HUISさんについて、初めて聞いた方向けに簡単にHUISさんのことを説明します。

松下昌樹・あゆみ夫妻により2014年にブランドがスタートしました。昌樹さんは浜松市職員出身ということもあり、アパレル業界における常識を打ち破る取り組みを様々行い注目を集めてきました。
静岡県西部地方の遠州地方で丁寧に織られた「遠州織物」を中心に展開されたブランドは多くの方の支持を集めています。
2024年3月には「HUISの服づくり」という書籍も出版されています。


今回は多くのことを学ばせていただいた中でも、特に皆さんに最初に知っていただきたい!と思った「遠州織物の魅力と産地の歴史」について執筆させていただきます!🖋


フィールドワークでお話しさせていただいた遠州織物会館の松尾さんです。本当に勉強になりました🙇‍♀️

遠州織物の魅力って?他の産地と何が違うの?

皆さんは「遠州織物」と聞いて何を思い浮かべますか?
皆さんに今後「遠州織物」と聞いて思い浮かべて欲しいのは、「綿織物」、「旧式のシャトル織機で織った細番手高密度の生地」という2つです!
初めて聞く言葉も多いと思うのでそれぞれについてご説明していきます。

綿織物である理由

当たり前ですが、綿織物はその名の通りコットンでできています。
遠州は、泉州(大阪)、三河(愛知)と並ぶ三大綿織物産地です。
これら三つの産地にはある共通項があるんです。それが、太平洋側で日射量の多い地域に位置しているところです。
実は、浜松は2011年度の調査日本一の日射量を記録しました。
暖かい浜松ならではの産業が綿の遠州織物なのです。

遠州織物の歴史

また、遠州織物の歴史は江戸時代にまで遡ります。
江戸時代中期に綿花の産地であったことから、農家さんが手織りの綿織物を副業として始めました。
明治時代には木綿商人が活躍し、織物の産地として知られるようになりました。
明治29年にはトヨタの創業者である豊田佐吉が小幅力織機(生地を織る機械のこと)を発明しました。
(トヨタは愛知のイメージが大きいと思いますが、実は創業者は静岡県生まれなのです!)
その後、昭和8年には日本の綿布の輸出量が世界一位になるほどの繁栄っぷりでした。
その後は独自の生き残り路線を確立した数社の幡屋さんだけが残っています。

豊田佐吉記念館にも行ってシャトル織機を発明した経緯についても学びました!
豊田佐吉記念館で実際に体験できる織機

旧式のシャトル織機の魅力

次に、HUISさんの生地をほぼ製作されている「古橋織布」さんの特徴でもある、シャトル織機の魅力をお伝えします!
織機はそもそも生地を織る機械のことを指します。
大きく分けてシャトル織機>レピア織機>エアジェット織機という順番で発展していきました。

現在一般的に流通している生地のほとんどはエアジェット織機で織られています。

それぞれの名前の由来は「緯糸を何で飛ばすか」によるのですが、
最も古いシャトル織機は大きなシャトルを通す必要があるので、織るときに経糸を大きく開けなければなりません。

これがシャトル織機のシャトルです!
こんなにも大きなものが毎秒往復しています。


そのため、そのため規格によっては、エアジェット織機の何十倍も時間がかかります。
一方で、大きく経糸を開けるため、ふんわりとした風合いの生地になり、高密度で織ることができるのです。


古橋織布さんの工場内。職人さんが織機の不具合を治しています。

本来であれば、エアジェット織機の何倍もの価格にしなければ採算が合わないのですが、HUISさんでは産地発ブランドということで圧倒的にお求めやすい価格で提供ができるのです。

細番手って?

番手というのは、糸の太さを表す単位になります!
数字が大きくなるほど細い糸のことを表しており、
古橋織布さんでは、80番手や100番手の糸で高密度に織っています。
一般的なミシン糸が30番手なので、如何に細いかがお分かりいただけるかと思います。
細番手になればなるほど、同じ面積を織るのでも時間がかかりますし、必要となる糸の量も多くなります。さらに糸が切れやすくなってしまうため、職人さんの技術も必要とされます。
そんな昔ながらの技術の結晶がHUISさんで販売されている生地なのです!

この写真からも如何に糸が細いかがお分かりになると思います。

遠州織物についてもっと知りたい方へ

この生地を読んで、もっと遠州織物について知りたいと思ってくださった方へ!
浜松市の職員さんが作られているこちらの冊子が本当に分かりやすすぎるのでぜひこちらも併せて見てみてください👀
私が今回の記事で説明しきれなかったことが全て書いてあり、初めて出会った時は衝撃的でした!✨

セトラーがHUISさんへ接客を学びに行きます!

ここまで読んでいただきありがとうございます!
私の大好きな遠州織物の魅力が伝わりましたでしょうか?
これらの魅力をアナザー・チュウブ展で余すことなくお伝えするためにセトラーが接客を学びながら実際に販売します!
場所はHUISさんの東京ショールームです。

・4月7日(日) 松澤(アナザー・チュウブ) 
・4月27日(土) 鈴木(アナザー・キュウシュウ) 
・5月24日(金) 上田(アナザー・キュウシュウ) 
・5月27日(月) 沖野(アナザー・チュウブ) 
・6月7日(金) 三宅川(アナザー・チュウシコク)

※日時は予定なく変更になる場合があります

それぞれ11:45-17:45までみっちり学ばせていただきます!
実は工藤は2月10日に一足先に学びに行っています!
接客の基本から学び、普段どのようなお客様に接客しているのかを身を持って勉強させていただきました。アナザー・ジャパンでの接客に活かしていきたいと思います。

東京ショールームの様子

鈴木はうなぎの寝床さんで知られる久留米絣で郷土愛×偏愛特集を組んだり、上田は服飾学生だったりと、ファッションと繋がりの深い学生が学びに行きます!


HUISさん渋谷ショールームの開店お祝いに。左から、上田、工藤、松澤、三宅川です!
いつ行っても丁寧に遠州織物について教えてくださる松下さん
セトラーも一生懸命勉強中です!

ここまでnoteを読んでくださった方でHUISさんの商品実際に手に取ってみたい!という方は、ぜひこの日程に来てくださると嬉しいです。

次回のnoteもぜひ楽しみにお待ちください!
次回はHUISさん以外の遠州織物の事業者さんの紹介や実際に1泊2日でみっちり学ばせていただいた出張の様子についてお伝えします。

ライター:Mio Kudo













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