女子大生が日本酒、仕入れました。〜灘五郷出身セトラーによる、日本酒の魅力に迫る2週間〜
こんにちは!
アナザー・キンキ担当、兵庫県出身セトラー鈴木優雨(すずきゆめ)です。
今回は、2/14(水)~2/25(日)まで、私が担当する郷土愛×偏愛特集、
「日本酒で絡む兵庫播磨」に関してご紹介します!
打破したい!「兵庫=神戸=オシャレ」のイメージ!
みなさんは兵庫県にどのような印象をお持ちでしょうか?
神戸港?それとも元町中華街?
洋菓子やパン、牛肉も有名ですよね。
「神戸っておしゃれだよね。」
大学の友人に兵庫県の神戸市出身と伝えると、決まって返ってくるのがこの言葉。
正直私もおしゃれだと思いますし、とっても嬉しいのですが、
私が本当に伝えたい魅力は、そこじゃありません。
私の故郷は兵庫県神戸市の東灘。
北を見れば六甲山、南を見れば海が広がる、自然豊かな街です。
この街には、一つの大きな特徴があります。
それは、日本有数の酒造処であること!
そう、兵庫県神戸市は、古くからとっても美味しい日本酒が作られてきた地域なんです。
日本の三大酒どころにも選ばれています。
「灘の酒」の人気は江戸時代から。
江戸後期には、「江戸に出回る日本酒の8割を供給した」というくらい、人気を博しました。
実は、今も日本酒生産量の3割近くを占めています。
私は、育った地域柄、幼少期から「日本酒」となにかと接点がありました。
小学生の時に両親と行った酒蔵見学で見た、酒造りの歴史と奥深さ。
美味しそうに語らいながら日本酒を試飲している大人の顔。
「日本酒」と「人の縁」は地続きなんだなあと、幼いながらに感じたことを覚えています。
しかし灘の日本酒の美味しさは、年を重ねている方ほどすでにご存知だったりするのですが、
大学生の友人で知っている子はほとんどいません・・・
「年代性別問わず、兵庫のお酒の美味しさ、ひいては日本酒の美味しさをもっと広めたい!」
日本酒が近くにあったから私だからこそ伝えられる日本酒の美味しさ、奥深さはないだろうか?
「日本酒で絡む兵庫播磨」
この特集には、そんな想いを込めています。
ここでみなさんが思ったことはきっと、
「え?灘じゃなくて播磨なの?(笑)」
そうなんです。
今回紹介するのは、兵庫県播磨、加西市の日本酒。
私がなぜ灘ではなく、加西市のお酒を選んだのか。
単純です。
ある事業者様に、一目惚れしたんです。
酒米農家が、日本酒を作る〜tenさんとの出会い〜
兵庫県の日本酒についてリサーチにリサーチを重ねていたところに、見つけたある事業者さん。
「オリジナルの日本酒造りに挑んでいる酒米農家がいる。」
雑誌の一面を見た時に、これだ!とビビッときたことを覚えています。
日本酒は「米」と「水」が主な原料。
シンプルな材料だからこそ、酒造りにおいて重要な要素はいくつもあるんです。
なかでも、灘のお酒が有名になった理由。それは大きく3つあります。
ひとつ目にお水。酒造りに最適な仕込み水、通称「宮水(みやみず)」があったこと。
ふたつ目に瀬戸内では珍しい寒風「六甲おろし」によって、蒸米など冷却が必要な作業を効率的に行うことができ、酒造りに適した環境が整っていたこと。
そして、みっつ目に、「良質な酒米の生産地を有したこと」です。
兵庫県は、酒米の王様「山田錦」の生まれ故郷。
山田錦は、心白と呼ばれる米の中心部分が小さく高精白が可能なことからおいしい吟醸酒を造りやすいことで有名です。
また雑味のない酒質でありながらフルボディテイスト、つまりコクがあって濃厚な味に仕上がる魔法のような酒米が、山田錦なんです。
灘で作られる美味しいお酒は、この「山田錦」を材料に作られているのがほとんどだったりします。
灘の酒造りを支えている、日本を代表する山田錦。
この奥深さを知らないことには、日本酒なんか語れるはずがありません。
「山田錦を栽培するプロフェッショナルが作る日本酒って、どんな味なんだろう。」
何がなんでもお取り扱いしたい、その一心でご連絡しました。
それが今回特集をさせていただく、株式会社tenさんとの出会いです。
ひとつの田圃からひとつの酒をつくる「一圃一酒」
兵庫県加西市の自然豊かな場所にある、株式会社tenさんの店舗。
周り一面は山田錦の田園。
コウノトリがゆらりと空から舞い降り、静かに水面を歩いていました。
出迎えてくださったのは、株式会社tenを営む名古屋様ご夫妻。
一年を通して、山田錦の栽培と酒造りを行っていらっしゃるお二人が、
コンセプトにしていること、それが「一圃一酒(いちぼいっしゅ)」。
このコンセプトの背景には、酒米農家と蔵元の関係性がありました。
通常、酒米は収穫されると一括にまとめた上で農協に納められ全国に出荷されます。
そのため酒米農家さんは、自分が丹精込めて作った酒米がどんな日本酒になったのか、見届けることができないのです。
「一つの田んぼから、一つの酒を作る。」
このコンセプトに共感した蔵元さんと提携し、名古屋さんは自分の育てた山田錦で、自社銘柄の酒造りを始めました。
「まるで自由研究のように、試行錯誤をしています。」
名古屋さんは、育てた酒米が酒として完成するまで、ほぼ全ての工程に携わります。
毎年変わる酒米の状態。蔵元と密にコミュニケーションをとりながら、肥料を新しくしたり、育て方を革新しながら納得のいく日本酒を追求するその姿は、農家ではなく研究者。
酒米を育てるかたわら、近隣の里山の管理も行っており、まさに「里山を守ることと、もの作りの掛け算」を体現されていました。
酒造りを通して、農業とは何か。ものづくりとは何かを、問い直そうと挑戦を続ける者が生み出すお酒の味を一人でも多くの方にお届けしたい。
今回は、そんなtenさんの思いの詰まったお酒、「SEN」シリーズをお取り扱いさせていただきます。
ラベルにもたくさんのこだわりが詰まっています。
田を酒に託す。「SEN」の魅力とは?
この度お取り扱いするお酒は、2種類。
「SEN 純米大吟醸〈生酒〉」と「SEN 純米大吟醸」です。
どちらも濾過・加水調整を行っていないため、いわば「すっぴんのお酒」です。
特に「生酒」は火入れと呼ばれる加熱滅菌処理をしていないため、酵母や微生物がまだ生きているお酒。新鮮さとフルーティーな味が特徴といえます。
しかし、なんといってもtenさんのお酒の特徴は、「オーガニック山田錦」であること。
米作り、つまり「農事」も自然の循環の一端を担うもの。
だからこそ、有機管理を行い、なるべく人の手を入れない稲作をしています。
その分収穫量は落ちますが、身が大きいお米が育つとのこと。
「山田錦本来の味を、贅沢に、そのままで。」
名古屋さんの手がける酒米だからこそ引き出せる美味しさです。
このお酒でしか飲めない味わいとなっています。
「SEN 純米大吟醸」は、すっきりとした口あたりで、お寿司や魚料理だけでなく、意外と煮込み料理などのお出汁を使ったお料理にも合う味わい。
「SEN うすにごり生酒」は、お米本来の旨さが味わえる、とろっとしたにごり酒。独特の「酸」が、カルパッチョをはじめ、レモンなどの柑橘系を使うお料理によく合います。
こちらは数量限定のため、お早めにお買い求めくださいね。
「日本酒で絡む兵庫播磨」
いかがでしたか?
日本酒にお詳しい方も、まだ初心者の方も楽しめる、学びと美味しさの両方を味わえる特集をご用意しております。
株式会社tenさんの魅力はもちろん、「山田錦って何?」「酒米と普通のお米の違いは?」といった簡単な日本酒の知識も知っていただけますので、ぜひ一度お越しください。
また、特集期間中は、土日祝日(2月17, 18, 24, 25日)を中心に試飲会も行っております!
無料で美味しいお酒を味わえるチャンスです!!
皆様のお越しを、店頭でお待ちしております。
ライター:Yume Suzuki
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