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今一度、セールを考えてみる

80年代後半から90年代のセール、いやバーゲンはすごかったです。
DCブームなどもあってセール中は長蛇の列が当たり前でした。ファッションビルからファッションビルへ大きなショッピングバッグを大量に持った若者たちが列をなして移動していきます。
セール初日のニュースにはそんな姿がよく取り上げられていたものです。
あの時代の一つの風物詩でもありました。
90年代に入り、買う側から売る側に変わっていましたが、ファッションは変われどセールの勢いは当分続いていくことになります。

そして昨今、普段のお買い物もセールもネット通販の時代へと変わりました。ネット通販を覗いてみるとまずものすごい数の供給量に驚かされます。
これは、一昔前の何倍の量なんでしょうか。

何より、セールが早くなり過ぎていませんか?

あるところはシーズンの立ち上がりから既にセールになっています、
というかずっとセールしています。
まるで、年中店じまいセールの看板をだしているお店のようです。
もうそうなってしまうと安さ以外に価値?は見出せません。

大量に商品を作って、他よりたくさん、早く売りたい、
そんなスタンスの現れがそれです。

外れる商品も必然とたくさん出てくるわけですから、世間より一早くセールにしないと次にいけなくなるわけです。
そんなサイクルを何年続けるのでしょうか?
これが衣料ロスに繋がっていることは周知の事実です。

昔は7月20日頃がセールでしたかね、それが7月上旬に定着したかと思いきや、今は6月中旬、上旬かな?
まだまだ9月まで残暑は続くのに・・。

洋服ってもっといいものであったはずです。
8月の盆を過ぎると徐々に秋物が並び始めて、
まだ暑いかなとか思いながら手に入れる、
夜が涼しくなるのを待ちわびて・・
そんなゆっくりとした時間に風情がありました。

日本には四季があり、ファッションにも四季があります。
そんな四季に合わせた提案とタイミングが洋服を楽しくさせてくれました。
ただ、どれだけ願っても、この自由経済の中で足並みを戻すのはきっと難しいでしょう。


肌寒くなってポチッとしたものが翌日には届いている・・、
確かに便利ですけど、全部これで本当にいいのかな?

うちの直営店のセールは今年も遅いお盆前です。
(*店頭のみです)

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