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微笑むネコ

「もてなす」という言葉には「相手に敬意を持って接し、相手に満足してもらう」という意味があり、「饗」と表わすこともできる。
この敬意と満足感(相手)は食で言えば、味にとどまらないということ。
形だけでの振る舞いでは本当の敬意とは言えず、そこにある笑顔も本物ではないのかもしれない。

今年のTシャツの一つにそんな意味を込めたものがある、「CIMA101」。
わたしが愛してやまない料理店、ひとつがあのbenns、もう一つがCIMAだ。
架空の店名ではありますが、どちらも実在する。

今回はそんなCIMAのご夫婦から感じるものを一つの絵に表現しました。
ネコなのかイヌなのか、はたまた・・、そんなことはおいておいて、このお店にとっては人を迎え入れることのアイコンであり、招き猫ともいえる。
食は楽しくありたい、誰もがそう願うに違いない。
そして、それは笑顔から始まると言っても過言ではないでしょう。
味ももちろんですが、そんな笑顔のお手本のようなお店。
自然と笑顔が出てしまうことは誰にもある、だけど、それが仕事としてできる人はそうはいない。

〜HiStory〜
“祖父が仕事でメキシコに渡ったのはもう50年以上前の1966年のこと。
帰国の前に訪れたオアハカから持ち帰ったバロ・ネグロの置物が今もワインセラーの横で客を招いている。無類のワイン好きも、メキシコ料理も、そしてこのサン・セバスチャンも、祖父から譲り受けたものばかり。
「CIMA」という店の名前はスペイン語で山の峰(みね)や頂(いただき)を意味します。これもまた標高1500mを越えるオアハカの街に由来し、最高峰を目指すことを名に刻んだもの。
今も毎年8月には妻を連れてメキシコに料理のヒントを見つけに行くのがお決まり。バカンスでもマーケットでも祖父の形見であるCIMAと共に海を渡るのです”
*Hi STORYはフィクションであり、登場する人物や団体名等はすべて架空のものです。


そんな彼らは今年も味を求めて旅に出ていった。
そして、微笑みの国から帰国した彼らのもたらすものは計り知れない。

今回は染み込みという技法でプリントをしています。
それは一度洗うだけでグッと雰囲気が出て、洗うごとに浸透していくよう。
プリントは浮かび上がらせるのではなく、沈み込ませるもの、そう考えています。
今回はそんな変化こそ楽しんでもらいたい。

すべては奥ゆかしく・・。
プリントだけではなく、人としてもそうありたい。

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