見出し画像

それ一口ちょーだい

愛について

本物の愛をぬるくなった風呂の中で探し続けて、
小指が歳を取ってしまった僕の真理はこう。


①一人では愛を語れない

②どちらかしか本物の愛を知れない

③片方が片方を本物の渦に引き込んだ時、永遠が手に入る

④引き込まれたと思っても、実はその気持ちが嘘だったりもする

⑤思い込める奴だけ幸せを感じられる


愛に定義なんて無いし、わかってしまったらつまらないから衝動で動いた奴が勝つんだろうと何処かで信じているけれど。本物だと思い込んだ時にはもう、それは本物では無い。ぽつんと世界に産み落とされてから、我武者羅に戦っていたあいつはいつも負けていたっけ。万人が愛の渦に命を宿したとして、宿された側は勿論愛を知る権利を得るだろうけど、権利などあったとしても、僕みたいに上手に使えなかったら、それは車検切れの三輪車と同じだ。もしくは結婚式に出産グッズを送ってくる、顔も知らない親戚の叔母さん。

説明はしないよ着いて来れるかな、と振り返った
彼は一歩先の落とし穴に気付かずにいる。

ストン。 良い音。

愛って言うのはそこら辺に落ちてる。そうやって君が教えてくれた。そこら辺に落ちてるからこそ、どこにも落ちてないものが欲しくなるのかな。今日は遊んじゃダメって言われたけど、こっそり君と行ったあの日のゲーセンみたいだね。あの時取った猫のキーホルダーが、今でもたまに夢に出てくる。

夢現。 愛は幻想。 残された現実。
夢を見る人は愛を知れる。睡眠と言う名の薬を飲んで、愛と言う名の幻覚を見た時、静かに息をしていた星々が僕から一斉に逃げてしまった。アルコールとニコチンに塗まったこの身体でさえ、そんな事は無かったのに。残された僕はいつも一人だ。ぽっかり空いた心の穴に何が入るか初めから僕らは知っていたのかもしれない。にも関わらず、自分を疑って闇雲に歩き出すから永久迷路に迷い込む。少しも怖がらずに目を閉じて、静かにスタート地点に留まっていれば、自ずと愛と出会えるのに。信じ込むことが最大の近道だって、産まれる前に教えてくれた人が居ただろう。そんな前の記憶なんてとっくに脳が捨てているよ、なんて言わないで。

君との偶然を全て必然にしたくなるのが恋。偶然を偶然と理解した上で、それを受け入れられるのが愛。同じパンが好きだとか、たまたま家が近いとか、お互い年の離れた兄弟がいるとかさ。
そう言う単なる偶然を全部、君とだったら必然と思い込みたい。授業終わりに校庭で会えたとか、Instagramのストーリーを一番初めに見てくれたのが君だったとか、今思えばとても些細で本当に何でも無い瞬間が、あの時は世界がひっくり返る事よりも重大で難解な大事件だった気がする。眠りにつく前にどこまでも続く天井を見つめながら、今日こそは夢で会えますようにと祈る。夢で会えたら君に思い切り愛をぶつけてやったのに。君のことをあまり考えなくなってから、ようやく夢に出てくるようになって、朝になって目を覚ますと、気づけば僕は泣いているのだけど。涙の渦は玉川上水をくだってやがて大きな海に辿り着くだろうから、そんなに不安に思わないでと、自分に言い聞かせた。別に涙の行く末を不安に思ってる訳じゃねえよとその時は聞く耳を持たなかったね、あの時はごめん。

何億と人間がいるこの世界の中で、自分にそっくりな人を見つけた事はありますか。それは始め、全然違って見えるのだけど、時の砂が落ちて行くと共にもしかしてあいつは僕なんじゃないかと思う事が増える。いや待てそんな筈はないじゃないか、だって僕は君を君として認識していたいのにと、何度も何度も疑うのだけど、気づけば君が何を考えているのか、一から十まで全て分かるようになっている。気づいた時には君のその綺麗な瞳が僕を包み込んでいて、僕もまだ知らない僕のことを君は既に知っている。ドッペルゲンガーなんてそんな単純なもんじゃなくて、かと言って物凄く複雑って訳でも無くて。いっその事君が僕のクローンで、未来から来た僕の子孫で、生き別れた双子の片割れで、前世で繋がっていたとしたら、全部受け入れてあげられたのかもしれないね。

こんなに身勝手な思想を書き連ねて最後まで読んでくれる人は居るのだろうか。四本足の先っちょだけ真っ白な猫があくびをしているよ。言葉なんて裸を見せるより恥ずかしかったりするんだよ、背中を流してあげるから後ろを向きな。
ゴシゴシ。

追伸
愛についてなんてテーマで書き始めてしまったら、終わりが来ないに決まってる。言いたい事なんて山ほどあるし、これと言った答えが無いからこそ全てを許されているわけだから。これは終わらない独り言って事にしても良いよね。天気が良ければ、いつまでも続く言葉があったって良いと思うよ。知らんけど。

この記事が参加している募集

眠れない夜に

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?