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結婚式の招待状

結婚式の招待状が届いた

差出人は、今は退職してしまった元部下だ


俺が今の会社に入社したのは約8年前

「停滞した社内を変えてほしい」

とキャリア採用してもらい気概に満ちて入社してみたものの、

そこは既得権益と印象評価が横行する旧態然とした場所でした。

転職してきた私には誰ひとりとして味方はおらず

同業他社で部長という肩書をもっていたから中途採用でも部長なんだろ?

どうせなにも出来ない、すぐに辞めるよ、アイツは

と陰口まで自然に聞こえてくる。

これは前途多難だなと思っているところに

「このプロジェクトを成長させてほしい」

と、前職でも経験のあるプロジェクトを任せられることになった。


同時に俺の元へ配属されたのは入社3年目の新卒男性社員

コミュニケーション能力は高く、先輩に従順な性格から可愛がられていたけど

仕事の面ではどうも評価されていないようでした。

しかし、一緒に仕事し始めるとすぐに彼の実務能力はずば抜けて高いことに気付きました

真綿が水を吸収するかのように教えたことをどんどん覚えていく

対してリーダーといった肩書で威張り散らしている中途採用の中年社員は

実務能力が低く、意思を持ってルールを守らないといった事も多くなってきていたので、問題だと感じ始めていました。

出している結果で評価されるべきでは?

入社して3ヶ月のころに社長へ直談判しにいったものの

昨日今日入ったばかりで何を言っているんだ!

とあえなく却下

よおし!なら圧倒的に結果を出してやろうじゃないか!

と新卒3年目の彼と徹底的に効率化を進め、目標数値を5ヶ月でクリア

「目標って簡単に達成すると増やされるんだな」

と6ヶ月目の目標数値が倍に設定された時は肩を叩きながら大笑いしていたよね。

忘れもしない入社10ヶ月目

設定された数値もクリアし、再度社長へ直談判

結果、次の人事で俺の部下が平社員からリーダーに昇格することになりました。

仕事だけでなく、ほぼ毎週一緒に飲みに行ってたっけ

お互い仕事に対する気持ちが強すぎて、飲み屋で胸ぐらつかみ合うことも何度かあったよね

ときに悔しさで震えていたときもあったね

いってなかったけど、俺もあの時は悔しくて泣きそうだったよ



一緒に乗り越えた困難は数知れず
ともに得た喜びは計り知れない

歳も離れているし
会社じゃ上司部下の関係だったけど


お前のことは

今でも盟友だと思っているよ


そんなアイツが結婚するんだってさ!

会社をやめて3年も経つのに俺に出席しろってさ!

もちろんいくさ!!


今日帰ったら嬉し泣きしながら酒を開けようと思う。

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