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アイデアのつくり方

無駄がない内容と解説

書籍の内容としては、ある種当然と言えるような内容ですが
端的で無駄がなく、解説がさらに深い理解を促してくれます。

アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ

と著者は述べている(p28)
また、新しい組み合わせを作り出す才能は事物の関連性を見つけ出す才能によって高められるという。
上記の2つをアイデア作成の基礎となる一般的原理としている。

アイデアをつくる全過程ないし方法

以上がアイデアの作られる全過程ないし方法である。
第一 資料集めー諸君の当面の課題のための資料と一般的知識の貯蔵をたえず豊富にすることから生まれる資料と。
第二 諸君の心の中でこれらの資料に手を加えること。
第三 孵化段階。そこでは諸君は意識の外で何かが自分で組み合わせの仕事をやるのにまかせる。
第四 アイデアの実際上の誕生。〈ユーレカ!分かった!みつけた!>という段階。そして
第五 現実の有用性に合致させるために最終的にアイデアを具体化し、展開させる段階。

ジェームス W.ヤング (著), 竹内 均 (解説), 今井 茂雄 (翻訳), アイデアのつくり方, 1988, p54-55

上記の引用だけだと不明瞭な部分もあるので、補足させていただくと
①資料収集
②資料の関連性、法則性を見つける
③頭の片隅では考えながら生活する
④資料から新しい組み合わせを見つける(アイデア発見)
⑤実用に耐えられるか検討し、より具体化・展開していく

上記の手順を一定の順序で行うこと。順番通りに行うことが肝心。

③④に関しては、ひらめきを待つ。ひらめく。といった事なので、技術的な介入が難しい。
しかし、第1段階の①資料収集から第二段階の②集めた資料の関連性などを認知していく段階については、大変参考になりました。

資料には二種類ある。一般資料と特殊資料

一般資料とは、経験・学習など人生経験から得られる資料
それは美術館や科学博物館、書籍など、アイデアとはまったく関係ない資料
特殊資料とは、売りたいと思っている製品・サービスの事、それを利用する利用者の情報のことである。
特殊資料の取得に関して参考になった箇所を引用すると

この知識の収得には、モーパッサンが小説を書く勉強法としてある先輩の作家からすすめられたプロセスに似たところがある。〈パリの街頭に出かけてゆきたまえ〉とモーパッサンはその作家から教えられた。〈そして一人のタクシーの運転手をつかまえることだ。その男には他のどの運転手ともちがったところなどないように君にはみえる。しかし君の描写によって、この男がこの世界中の他のどの運転手ともちがった一人の独自の人物にみえるようになるまで、君はこの男を研究しなければいけない。〉

ジェームス W.ヤング (著), 竹内 均 (解説), 今井 茂雄 (翻訳), アイデアのつくり方, 1988, p35-36

マーケティングではペルソナといって仮想ユーザーを考える事がありますが、実際の顧客像を鮮明にする事は非常に大切と感じました。
サービスを利用してくれる一人と、一万人の両方を具体的にする

ハガキサイズの紙に情報を記載し組み合わせる

②資料の関連性・法則性をみつける。の方法として集めた資料をハガキサイズの紙に書いていき、同じような情報を集めたり、並び替える方法が書いてありました。
商品・サービスを具体化・展開する際にも有効な方法と感じました。

アイデア作成に関して①資料収集後に③④のひらめきの段階に向かってしまって行き詰まっていたので、②の関連性・法則性を見つける。資料を網羅的に見えるようにする。というのは早速やってみたいなと思いました。



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