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スペインで英語系インターナショナルスクールに編入する (IBプログラムの high school)

非英語圏への10代の子供を帯同する難しさには、

  • 高等学校以上は日本人学校はない。(義務教育ではないから)

  • 現地校の言語が全くわからなければ、授業についていけない。

  • 子供が現地で学校(使用言語を問わず)に適応できるかどうか、わからない。

などがあると思います。
我が家は、いわゆる純ジャパニーズ、使用言語は日本語、日本の教育のみ受けてきています。カタルーニャ語やスペイン語の学校では内容がわからない、私たちもサポートもできないため、検討の結果、スペインに行くとしても英語で学べる学校に通学するという結論になりました。ちなみに、子供である小弥次は学校での英語以外にも英語教室に通い、英語は得意科目の一つで英語圏であれば交換留学に応募できる語学レベルでした。


学校に関する情報収集

在バルセロナ日本国総領事館のホームページには、子女教育に関する情報があり、日本人学校の情報の他にインターナショナルスクールの情報がアップされています。そこでは教育関連のガイドブックを見ることができます。(2024年4月のデータ。)
バルセロナには英語系インターナショナルスクール(米・英)が多いですが、ドイツ系、イタリア系、フランス系などもあります。
通いやすい場所の英語系のスクールをピックアップし、ホームページなどを参照しながらオンラインでのスクールツアーにも参加しコンタクトを取っていきました。

コンタクト早々からどこの学校もhigh school以上になると定員が埋まっていて枠が空くかどうかギリギリまで分からないし、試験を受けて基準をクリアしないと受け入れないと言われました。国際バカロレア(IB)プログラム校もあれば、そうでない学校など色々あります。
ダメもとで複数の学校に応募しました。(受験費用はかかりますが、同時進行で応募しました。)

インターナショナルスクール受験について

今回、コロナ禍でもあり、どの学校ともやり取りはオンラインで全て完結しました。
学校が要求してくる書類は概ね似通っています。
過去2年分と直近の英文成績証明書、英語・数学の担当者からの評価、学校カウンセラーの評価、医師の健康診断書、保護者が記載する健康調査票、予防接種の記録、Standardized test scores (MAP, ERB, or other state/national assessment)、子供による自己紹介文、本人・保護者のパスポートコピーなどでした。面接はオンラインで行いました。
英語が母国語でない生徒には英語の小テスト(エッセイ)が与えられますが、これもリモートで対応してもらえました。

MAP(Measures of Academic Progress  assessment)対策

Standardized test scoresについては、日本では受験できないと相談すると、ある学校からMAP(Measures of Academic Progress  assessment)をオンラインで個別に施行していただきました。これは、学力到達度をチェックするもので客観的な指標として用いるだけでスコアは気にしなくて良いと言われました。そして、このスコアを他の学校とシェアできるようにすると言われました。
どんな問題なのかを知るために以下のサイトを参考にしました。

Practice Tests and Videos for MAP Growth

いくつか練習問題にトライしてみて、本番を迎えました。小弥次曰く数学の問題は簡単だそうです。ただ、数学のテクニカルタームは事前にEverything You Need to Ace Math in One Big Fat Notebook: The Complete Middle School Study Guide (Big Fat Notebooks) Workman Publishing Company
というイラストが多い本を購入して覚えました。(半径・直径、面積、体積などを英語でどういうのかを調べました)
このEverything You Need to Ace シリーズはとてもわかりやすく、数学以外にscience, biology,  world historyも追加で購入しました。world historyは日本語訳 アメリカの中学生が学んでいる 14歳からの世界史 があります。現地での課題をこなす際に大活躍した本です。最近、Kindle版も出ています。アメリカの高校に留学する場合も役立つ本だと思います。

英語エッセイ対策

英語のエッセイテストは準備を要しました。IB校なので論理的思考に基づくエッセイを書くことは、入学後もずっと要求されます。したがって、その授業についていけるかを知りたいようです。面接でも、スピーキングはできなくても大丈夫、そのうち話せるようになる、だけど、書くことはしっかり準備してきてと言われました。

英語エッセイの構成は、
Intoroduction → Body → Conclusion

です。日本の起承転結とは異なる構成でテーマ内容をどう膨らませるか、自分の意見は論理が一貫しているか、が肝になります。
複数のテーマから1つを選び自分の意見を書かせる学校や長文を読んでanalytical essay を書かせる学校などありましたが、概ね40から60分でA4 1枚半以上書き上げるよう指示されました。analitic essey では修辞学が要求されました。「この部分は隠喩であり、このような効果を狙って記述されている、そして、これによって筆者は〇〇を表現しようとしている、ここでは倒置を用いて、、、」といったふうに文章を分析して論じるのです。事前にフォーマットが送られましたが、対策は大変でした。

最後に

とにかく欠員が出ないと受け入れが出ないため、最終的に学校からacceptされるまで時間がかかりました。accept のメールを受理した時には本当に安堵しました。また、オンラインだけで判断をすることも難しかったですが、担当の先生とのやりとりを通じて各学校の雰囲気は感じられました。
自ら希望したとは言え、日本の学校生活と並行して受験の準備は大変でしたが、家族3人で協力してスペイン生活スタート地点に到達した達成感はありました。
もちろん、英文成績証明書発行以外にも、英文推薦書を英語、数学、留学担当の各先生方に記載していただくなど日本の学校にもお世話になりました。英語教室でも個別にエッセイの指導をしていただくなどのサポートがあり、無事に合格できました。今回振り返って、改めて感謝の気持ちでいっぱいです。
この後、実際に転入するまでいろいろとありましたが、それはまた別の機会にまとめます。

補足

  • スペインへの入学にあたっては、1年間しか在籍しないことをしっかりアピールしました。1年後は枠が空いて新しい人を募集できるという情報を最初に共有しておく方が、先方も生徒募集を考えていく上でやりやすいのではと考えたからです。

  • 日本の学校は休学扱い(一種の留学扱い)にして、復学できるようにしました。


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