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【本質】教師が「言い訳」を言いやすくしてあげることで子どもの承認欲求を満たす

新学期がスタートして、およそ1ヶ月が過ぎました。休校措置によって登校日や授業時間が限られていることで、クラス替えがあったり、転入などで環境が変わったりした子どもの中には、まだ学校に馴染めずに緊張した気持ちで過ごしている子も少なくないと思います。

そのような緊張感の中で、自分の居場所が見つからない子どもが少しでも和らぐような実践を考えてみたいと思います。

「先生が言うのだから仕方ない」を演出する

例えば、フォークダンスで女子と手を繋ぎたくても繋げない、恥ずかしがり屋な男子がいたとします。それを教師が感じ取り(気持ちを読み取るのはなかなか難しいですが…)、「しっかり手を繋ぎなさい」と指示します。

すると、男子は女子に対して「先生に言われたから手を繋ぐことになった」と言い訳ができます。プライドを傷つけないで済むかもしれません。

これは「仲間づくり」においても必要だと思っていまして、子ども同士で意見交換させたり、男女分け隔てなく交流させるために、「ペア(グループ)で相談しなさい。」と指示することがあります。

それで、「先生がペア(グループ)をつくれと言った」という言い訳ができます。

これによって、「本当は友達と話したいのに話せない子ども」が救われることがあります。

応用すると、休み時間に友達と遊びたいのに遊べない子どもがいたとすれば、「次の休み時間はみんなでドッジボールをしよう」などと教師(できればイベント係)が提案することで、遊びに誘われるのを待っていても一向に誘われない子どもが救われます。

そもそもこの記事を書こうと思った理由は、4月から学校に3回は登校しているのに、まだクラスの誰とも話していないという娘の話を聞いたからです。先生とは話をしているようですし、先生に不満があるわけではないです。

分散登校の影響なのか、私の学級でも5月だと言うのによそよそしく、遠慮がちな関係が見られました。

子ども同士がギクシャクした関係のままだといつか爆発する

私の経験上、子ども同士で言いたいことも言えずに長い期間我慢していたり(先生に対しても)、気を遣い過ぎたりする関係のままでいると、不登校、コソコソ話、かげ口、感情の爆発などを起こす子どもが出てきます。

不平不満がたまると、ヤンチャな子どもや大人びた子ども達は黙っていないものです。大人達には見えない水面下で勃発してしまうこともあります。

『ハッピーレター』を書いて、次の登校日に届く

いろいろな活動に対して口では「面倒くさい」「つまらない」とすぐに言ってしまう子どもでも、心の中では一緒に行動したいと思っているはずです。

ギクシャクした関係にならないように、お互いを知り、自分の居場所をつくるための活動をご紹介します。承認欲求を満たすことにつながると思います。

ネーミングはなんでもいいのですが、「ハッピーレター」という温かい手紙を送り合う活動です。

① あらかじめ名前が書かれた名刺大のカードを、教師がランダムに一人一人に配る。 ※自分以外のカード                  ② 受け取ったカードに、示された子どものよいところや前向きなメッセージを書くように指示する。 ※「字がきれいな◯◯さん、書写の時間が楽しみだね。」「休校中の運動はすぐに汗をかくバービーがオススメだよ。」など       ③ カードを回収して、次の登校日に本人の元にカードを配る。                ④ 4回ほど実施したところで、カードを一つの台紙にまとめて、振り返る時間をとる。

昨年度まで「学年一のヤンチャ」と言われていた男子も、カードにすらすらと数枚書いていました。

教師はすべてのカードに目を通し、不適切な表現や雑な文字があれば書き直しをさせます。

コミュニケーションを図らなければならない場を意図的に設ける

緊張を和らげる考察から居場所づくりまで話が広がってしまいましたが、身動きがとりにくい現状だからこそ余計に、コミュニケーションの大切さを痛感しています。

ソーシャルディスタンスを保ちながらでも、「近くの人と話さなければならない状況」をつくっていきたいと思うのです。





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