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朝の連続短編小説「ひこぼしくん」⑦ 6/27

 もうすぐ、七夕ですね✨(七夕まで残り11日)

 昨日は記事を投稿することができず、申し訳ありません。昨日、本小説の取材(?)に行ってきました。遊びまくってクタクタになりましたが、色々な気付きもありました。
 おこがましくも小説というものを書いておりますと、ただ遊ぶだけではなく、違う観点から見えるものが増えました。書くことは、少しでも自分の人生を彩り豊かにできる方法の1つなのかもしれませんね。
 理生です、おはようございます😊

#挨拶文を楽しもう
#蒼広樹

◁前回のお話「ひこぼしくん」⑥

朝の連続短編小説「ひこぼしくん」⑦


 オレの眼の前には、ガストのテーブル。
テーブルの上には、飲み干したコーラ、まだ半分入ってるレモンティー、そして、喋るハムスター🐹
 混乱してきた。

「なんや、けったいな顔して。ハムスターが喋るのが、そないに珍しいんけ?」
 机の上で、腕を組んでいるハムスターの大助(だいすけ)。

 オレは現実を受け入れることができず、おりひめちゃんを見た。
「ハムスターが、日本語…というか、大阪弁を喋ってますよね?」

「はい。大ちゃんは父の影響で言葉を覚えちゃったんです」
 えへへ、と、はにかみながら、おとひめちゃんは答えた。

「ハムスターが喋るのは、別に珍しいことでも何でもないぞ。noteで有名な小説知らへんのか?」
 オレは、両手を広げて肩をすくめた。

「不勉強なやっちゃのう。これ読んで勉強せなあかんわ、自分」
 そう言って、オレのスマホを操って、1つの小説を表示させた。

「キンクマさんは、うちらのアイドルやで!!」
 そう言って、ハムスターの大助は、オレに指?腕?を指してきた。

「すみません、読んで勉強します」
 オレはハムスターに頭を下げて、謝った。ハムスターが言葉を話すことも、そして、ハムスターに怒られる経験も人生初である。

「で、ちゃん付けしたんは、どうなったんや?」
「大助さ…ん??大助さんですね、初めまして」
「そうそう。ちゃんと礼儀を持って接しなあかん。よろしくやで、ひこぼしくん!」


「こらっ、大ちゃん!!そんな偉そうに言ったらダメでしょ」
 おりひめさんは、人差し指で軽く大助の頭をこついた。

「ごめんなさい。私の父と似て、ちょっと言葉が汚くて。でも、とてもいいハムスターの子なんですよ」
「いえいえ、全然、気にしていませんから」
 オレは手を振った。

「うちは、おりひめがちゃんと幸せになれる男かどうか、見極めにきたんや。幸せにさせるまで、認めへんからな。最後まで見届けるから、よろしくな」
 そう言って、大助はおりひめさんのグラスに登って、レモンティーをストローで飲みだした。

 せっかくおりひめさんとイイ感じだったのに。
オレは、突如現れたハムスターを少し睨んだが、ハムスターに怒るのも、器が狭い男と思われる。ここは、ぐっとこらえて、笑顔を作りおりひめさんを見た。

 豊満な胸は、少し小さくなっていた。

***

「おりひめさんは、どんなご趣味をお持ちなんですか?」
 混乱した状況から、お見合いという現実を続ける質問を投げた。

「私は、仕事も忙しくて、あまり外に出られないから、家で俳句とか短歌とかやっているんです。あ、そうだ」
 おりひめさんは、両手をパンっと叩いて、自分のスマホを取り出した。

「今、この令和版百人一首 恋の巻というのに、毎回、投稿しているんですよ」
 楽しそうに、おりひめさんは、スマホをオレに見せてきた。

「今、夏の部の投票が開始されているんです。どの一首が選ばれるのか、とてもワクワクしています」

 オレは、百人一首は全く分からないけれど、おりひめさんのらんらんとした大きな目を見ていると、興味を持った。
「僕は、百人一首って全く分からなくて」

「五・七・五・七・七の三十一文字から、恋の句を詠うんですけれど、ここ交野ヶ原にも、昔から大勢の方が歌を詠まれているんですよ」

***
 天野川流域は、かつて交野ヶ原と呼ばれ、桜の名所であったり、貴族の狩場として知られていた。
 天野川の川砂が白く光って見えることから、天上の天の川になぞらえ「七夕」を題材にした数多くの歌が詠まれた。

 「伊勢物語」には、元祖イケメンと呼ばれる「在原業平」(ありわらのなりひら)が、ここ交野ケ原を訪れた際に詠んだ歌が収められている。

狩り暮らし棚機津女(たなばたつめ)に宿借らむ
天の河原に我は来にけり

***

「それでね、私、【令和版百人一首 恋の巻】を応援し隊に選ばれたんです」
 そう言ったおりひめさんはとても嬉しそうだった。

「ぜひ、ひこぼしさんも、私と一緒に秋の一首から参加してくださると嬉しいな」
「も、もちろんです!!一緒に参加させてください」
「わあ、やった。ありがとうございます。とっても楽しみです!」
 おりひめさんの笑顔には、叶わない。
ただ、こんなに楽しそうにしているおりひめさんを見れることが、かなり幸せだった。

「今度、うちの花子にも会いに来てください。大助さんと一緒に」
 おりひめさんが答える前に、大助はストローを吸うのを止めて、こちらを振り向いた。
「せやな。一回、花ちゃんに会いに行こか」
 なぜか、大助が答えた。

 オレと大助さんは、次の予定を決めて解散した。


 これが、オレがはじめて、彼女と大助さんに会った日だったんだ。



 続くんですよ、七夕まで🤭


※皆様の記事を物語中に勝手に使用させて頂いており申し訳ございません。
 ご不快の場合、即刻記事修正致しますので、ご指摘ください🙇

あめ、あめふれふれ、もっとふれ~!!
私のいい人連れて恋~!
ただ、あまり降りすぎても、心配になりますね💦
賑やかし帯は何でもありますよ!!

イラストレーターriraさんの短冊を使用させていただきました!
短歌がカッコよくなるのでぜひ🦐
人物はまくらさんが作っておられます!


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