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川の中の小さな分解者たち

 以前の記事でびわ湖やびわ湖に流れ込む川の水は、夏の間は水温が高くてあまり美しくないけれど、水温の下がる秋になると急に透明度が増すと書きました。

 私の自宅前を流れる小川も同様でして、この季節になると透明度の増した水の中にいろんな生き物が見られます。婚姻色に染まったコアユやオイカワなどの魚も群れになってたくさん泳いでいますが、今日はもっと小さな生き物たちを紹介しましょう。

まずこちらは、ここ20年ほどで急増した外来種のカワリヌマエビ。これはもう無数にいますね。
上流から流れてきたものにすかさず取りついて、とりあえず食べられるかどうかを確認します。
彼らはなぜか特に白いものに敏感です。白いものが流れてきたら必ず反応しますね。
試しに小さな大根の切れ端を落としてみたら、集まってきてあっという間に食べ尽くしました。
ヨシノボリの仲間もたくさんいます。こう見えて彼らもなかなかに貪欲なハンターです。
こちらは流れてきた落ち葉に群がる巻貝たち。カワニナの仲間でしょうか。

 いかがでしょうか。こうして見ると彼らは上流から流れてきたものを食べて分解する水の中の小さな分解者なんですね。
 今回の観察でちょっと驚いたのが、昔はたくさんいたアメリカザリガニの姿を全く見なかったことです。アメリカザリガニはかなり水質の悪いところにたくさんいますので、この小川の水質が以前と比べて随分とよくなっているということでしょう。
 最近は良くも悪くも人の生活と川との関わりが希薄になりました。昔は両者がもっと密接に関わっていて、川で鍋を洗ったり、川に野菜の残渣を流したりするなんていうことは、生活の中で当たり前に行われていました。環境保全の考え方が進んで今はそんなことをする人は皆無です。
 でも、こうなったらなったで、彼らにとって今の時代はすごく生きにくい時代なのかも知れませんね。(^^)

 水清ければ魚棲まず
 適度な汚れが心地良いのかな? 


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