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ソシャゲでも太正桜に浪漫の嵐!『サクラ革命~華咲く乙女たち~』

サクラ再び

2020年はゲームの『新サクラ大戦』に始まり、アニメ版の『新サクラ大戦 the Animation』、過去作のTVシリーズ、OVA、劇場版、過去の歌謡ショウの各種映像作品の視聴、過去作ドリキャス版プレイ、『新サクラ大戦 the Stage』観劇とサクラ大戦シリーズを網羅するための活動をしてきた一年でした。
『新サクラ大戦』をプレイした際に、これまでこのシリーズの一部にしか触れていなかったことが勿体なく思われたのです。結果、サクラ一色の一年になってしまいましたが、非常に楽しい体験でしたので悔いはありません。

そんな遅れてきたサクラファン(って書くと胡散臭いな)の私がリリースを心待ちにしていたソシャゲが『サクラ革命~華咲く乙女たち~』です。

2020年9月20日にSEGAとFate Grand Orderの開発・運営で有名なDelight Worksとの共同会見の場において発表されました。

タイトルが発表されたのはこの場でしたが、その少し前には「プロジェクト『B.L.A.C.K.』」としてPVが発表されており、SEGAが仕掛ける新作ということで話題になっていました。最初はサクラ大戦シリーズに連なる作品だとは公表されていなかったのです。

そんなソシャゲで大丈夫か?

『新サクラ大戦』が微妙な評判だったり、ヒットしているのかが不透明な印象だったり、続編の話題が聞こえてこないなど、シリーズの今後が不安視されていた中での本作の発表はシリーズのファンとしては嬉しい反面、マイナスのイメージもぬぐえないものでした。

人気アニメの続編や外伝シリーズをソシャゲで展開するケースはよく聞きますが、その多くが失敗に終わり、1年程度でサービス終了することも多いところに、シリーズが途絶えていたサクラ大戦を持ち込むのは無理があるのではと思われたのです。
シリーズが途絶えていただけあって私と同じようにリアルタイムで触れてこなかった人は多いはずですし、そうなるとソシャゲのメインのプレイ人口となる10代・20代のユーザーには響かないのではとも思いました。
今までのシリーズで登場していた霊子甲冑や霊子戦闘機が登場せずに、霊子甲冑を身にまとう霊子ドレスで戦う設定は無茶が過ぎると思われました。
Fate Grand Orderの運営方針に不満があるユーザーからはこの会社と組んで大丈夫なのかとの声も目立っていました。
事前の情報番組の動画では熱意を持って本作の開発に挑んでいることは伝わってきましたが、なかなかリリース日が発表されなかったことも不安を増幅させていました。

そんな不安の中、新しく発表されたClover Works制作によるこちらのアニメーションが印象を好転させることに大いに貢献してくれました。

本作の世界観や登場人物が分かりやすく提示され、無茶が過ぎると思われた霊子ドレスによる戦闘もハイクオリティな映像で説得力を持って表現されたおかげで期待が持てる作品になれたと思います。

そしてリリースされた2020年12月15日。
期待と不安の中プレイを始めた私は1時間後には事前の不安が杞憂だったことを知るのでした。

サクラ大戦のファンの皆様、サクラ革命は大丈夫です。

リッチなビジュアルで展開される戦闘

良いところはいくつかありますが、まずはリッチなビジュアルに注目していただきたいです。
最近のソシャゲではLive2Dを利用したり、3Dモデルを用意したりするのは割と普通になってきましたが、本作ではすべての乙女(=戦闘キャラ)に3Dモデルが用意され、戦闘・ストーリーパートともに3Dで描かれます。
それぞれに専用の必殺攻撃が存在し、必殺攻撃時には派手な演出で動くリッチなアニメーションが堪能できます。パッと見の派手さがあるため、小さいスマホの画面でも地味さを感じることなくプレイすることが可能でしょう。

戦闘ルールはシンプルで、戦闘に出せるのは一度に3人まで、前進して攻撃する進撃、その場で気力をためつつ攻撃する奮撃、攻撃して後退する退撃の三種類のコマンドから選びつつ敵と攻撃ラインを奪い合いながら敵全滅を目指します。

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スキルはターン経過で使用可能、必殺技は気力を溜めて発動可能、各キャラに装備可能な護符でステータス向上やスキル追加といった一般的なソシャゲRPGに慣れている方ならばそれほどルールの把握に苦労はしないはずです。
分かりやすく言ってしまうと、より戦略性とアクション性の高いFate Grand Order。前後の移動があることが駆け引きになって良いアクセントになっていると思います。

マンガ風演出で展開されるサクラらしさのある熱いストーリー

ストーリーパートに力が入っていることも本作の特徴です。
ソシャゲのストーリーは立ち絵で展開されるばかりで画的に変化に乏しく、ついスキップしてしまいがちなのですが、前述の3Dキャラで描写されるストーリーは場面ごとに表情やポーズを変えており、ワンパターンになることを避けています。
それに加えて要所でデフォルメキャラのアイコンと吹き出しを使ったり、画面を分割したりとマンガ風の演出がされているのも特徴的。実際はポーズや表情のパターンはそれほど多くないにもかかわらず、この演出スタイルによって常に画面に変化があるように感じられました。

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サクラ大戦シリーズ恒例の時間制限付きの選択肢、会話中の面白選択肢などもあってストーリーパートも受け身なだけではない能動的なゲームプレイになっています。

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この飽きの来ない演出で展開されるのが架空の太正100年を舞台とした、悪の政府から日本を奪還する物語です。
これまでのサクラ大戦シリーズの時代設定からは大きく離れた年代に設定しているため、過去作をプレイしていなくても問題ありません。政府側の人間だった主人公が、首相が陰謀を企てていることを知り、全国各地の霊力の高い乙女たちを仲間に迎え入れつつ、各地域を政府の支配から解放することが目的になります。

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九州(第1章)からスタートし、中国地方(第2章)、さらには四国(第3章、2021年1月1日時点では未配信)へと巡っていく物語はある種のロードムービーのようであり、ご当地ネタを取り入れつつ巨悪に立ち向かっていく物語が熱い。とくに2章では吉田松陰を彷彿させる人物の塾生が師の志を受け継いで戦う展開がかなり盛り上がり、アニメ化してもおもしろいのでは?と思わされるものでした。
章の終わりには帝国歌劇団による公演シーンが歌曲(無論、田中公平先生の新曲です!)とともに流れ、シリーズお馴染み「決めっ!」、次回予告もあるなどシリーズファンならば盛り上がること必至な要素を盛り込んでおり、シリーズファンも新規の方も楽しめる作品に仕上がっていると思います。

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渋くない運営方針

本作はキャラクターや護符を獲得するためのガチャを回すアイテムに対して課金するタイプの運営型ゲームです。
ソシャゲといえば課金廃人という言葉があるように、より強いレアキャラクターを収集するために課金を続けて月々の請求額がエラいことになってしまう話をよく聞きますが、その点サクラ革命はレアキャラクターでなくとも使い方によっては活躍可能ですし、ストーリーモードクリアだけならばそれほど高いレベルも要求されません。無課金の状態でも苦にはならないが、課金するともっと楽しいというバランスで運営されているのが良いですね。問題のガチャも割と高確率で高ランクのキャラクターや護符が当たるようになっています。ガチャが渋いのは嫌という人にもオススメです。

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全国各地の乙女を調査(=ガチャ)するのに使うのはロケット!?

物足りないキャラクター描写

ここまでべた褒めしてきましたが、良い点ばかりでもありません。看過しがたい問題も存在します。ストーリーの熱さ、面白さに関しては確かだとは思いますが、多くのキャラクターが登場する分、キャラクターによっては描写が浅くなっている場合があります。
せっかくの個性的なキャラクターもメインストーリーで魅力が伝わりきらずに終わってしまうようでは十分に活かせているとは言い難いです。もちろん、キャラクターによっては魅力的な存在もいますが、ストーリーの見返し機能もない(2021年1月1日時点)状態では個々のキャラクターの印象は薄くならざる負えないでしょう。この点については、キャラクター毎のサブクエストを設けておくことである程度緩和できたと思います。ロード中に表示される一コマ漫画で見られる乙女たちのサイドストーリーが魅力的なだけに、本編でももっとこういう部分を描いてほしいと思ってしまいます。

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コミカルなものが多い一コマ漫画だが、高千穂さんの過去は非常にシリアス

コンテンツ不足の感は否めない

キャラクター描写の物足りなさとも重なる部分ですが、ストーリーを進め切ってしまうと他に達成するべき目標がほとんどなくなってしまう問題もあります。要するにコンテンツ量が不足しているのであって、大量のキャラクターを登場させる物量タイプの運営方針ではなく、個々のキャラクターの密度を高めることを重視した作りになっているために、ストーリーを進めた後にやることといったらキャラクターの育成に限られてしまうことが問題です。ただ、この問題は基本的な出来が良いからこそ気になる点であって、今後の運営側の努力によっていくらでも改善できると思います。まだリリースしてから1か月も経過していないタイトルですので、コンテンツ不足を理由にダメなゲームと判断するにはまだ早いのではないでしょうか?

まとめ:改善すべき点もあるが、現状でも総じてクオリティの高い作品

良きにつけ、悪しきにつけ、ソシャゲというものは常にアップデートを繰り返して発展していくものです。サクラ革命は現状では魅力的なストーリーやキャラクターを完全に活かした状態とは言えませんが、今後のアップデートしだいでは化けるポテンシャルを持った作品だと思います。事実、ソシャゲは三日坊主になりがちな私が不満があれども、毎日ログインして楽しめているのですから基本的な出来は良いはずです。何よりこれだけリッチなビジュアルで遊べるソシャゲはそう多くはありません。
すでに12月末からはイベントも開始され、イベントでは九州の乙女アンジュがフィーチャーされたストーリーが展開されています。プロデューサーからの発表によれば、キャラクタークエストの実装やストーリーの見返し機能の追加も予定しているそうです。今後配信予定の3章以降のストーリーもありますし、今後の発展には期待が持てます。継続型コンテンツならではのリアルタイムで進化していく様を皆で応援するのが良いと思います。

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2019年末から始めたnoteでのゲームに関する文章書きが2年目に突入しました。今年も暇を見て書いていきたいのですが、なかなか書くにも元気がいるので・・・ともかく、今年もよろしくお願いします!しのちゃんたちもこう言ってますよ!

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