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50代から始めてプロになる人の行動と心構え

私の着付けの師匠は実母である。
小さいながらも着付け教室を営み、国家試験「着付け技能士2級」も取得している。

このことを言うと多くの人が「じゃあ、あんみさんも着付けはバッチリなんだね」的なことを言うがちゃんちゃらおかしい。
私の着付けレベルはこの記事に書いた通りだ。

とは言え、そのイメージは分かる。

私だって、イギリス人ハーフの人がいたら
「じゃあ英語ペラペラだろうなぁ、いいなぁ」
って思うし、
親はN響でバイオリニストやってます、って人に会ったら
「じゃあやっぱりバイオリン弾けるのかな?」
って思うだろう。
(そして悪気無くそう訊いてしまうのだろう)
小さい頃からすぐ傍に英語や音楽を教えてくれる人がいるならば、自然とその技術を身につけられるような感じ、やっぱりするから。
(もちろん、親の教育方針や本人の適性が有ってのことなのだけど、それでもやっぱり)

だがしかし。

私の母が着付けを始めたのは50歳を過ぎてからである。
着付けの先生を始めたのが、ではない。
着付けを習い始めたのが、50歳過ぎだ。それまでは冠婚葬祭も洋装のが多かったように思う。
なので親が着物をやってるとは言え、全然着物が身近な環境で育ったわけではない。

いや、私の話はもういい。
私が着付けを身に付けやすい環境だったかどうかは置いといて、この「50歳から始めてプロになる」というのは、なかなかすごいことではないかと思っている。

だって私は今40歳だけど、今からやり始めた趣味でプロになることは、正直想像しがたい。

というわけで、私が母と接していて感じた「年齢に関係なくスキルを身に付けるコツ」のようなものを書いてみようと思う。

◇◇◇◇

①思い立ったが吉日

母に、なんで突然着物を始めたのか訊いたことがある。
答えは
「別に。あ、着物きよ。って急に思って」
だそうである。
「で、お教室を探したら近所にあったからすぐ入ったの」

ここでのポイントは「急に思って」「すぐ入った」ではないかと思う。

母は基本的に直観に逆らわない。
それ故に思い込みが激しいと評価されるところはあるが、それだけ自分の直観を信頼してるのだと思う。

だからこそすぐに教室を探し、すぐに入る。
悩むことに時間を割かない。

確かに、合わなければ辞めればいいだけの話で死ぬわけでもなんでもない。
「この年で始めても…」とか
「後でめちゃくちゃお金がかかるんじゃ…」とか
考えて考えて考えて、結局自らやる気を削いでしまうのはあまりもったいない。

直観はいつでも自分の味方だ。

母を見ているとそう思う。

◇◇◇◇

②続けるための独自システムを作る

始めることよりも、続けることは更に難しい。
数々の習い事を挫折してきたので、よく分かる。

これについての母の解決法は外出は絶対着物でするというルールを設けたことではないかと思う。
いや、もしかしたらルール化したのは後付けなのかもしれないが…

母は、着る物の整理をした時に「気に入ってる着物」と「楽な洋服」以外をすべて処分したという。
なので、外出時に着たいようなお洒落な服は、着物しかないのである。洋服は本当にパジャマみたいなルームウェアばかりなのだ。

私は今、レインコートも道行も持っていないので雨の日や厳寒期は洋服で…という選択肢になるが、母にそれはない。
雨の日の為に着物用レインコートを買い、真冬用の道行も着物コートも買う。

「外出は着物でする」のを大前提として物を揃え、着る機会を半強制的に増やす。

これは衣食住に関わる習い事だからできる極端さはあるが、要は身に付けたいことの優先順位をあげるルールを自分で設け、それを守れる(守らざるを得ない)状況に自分を追い込んでおく。ということだ。

母の場合は、これを楽しみながら自然にできたのが大きいと思う。
自然にできないまでも、こういうシステム・習慣を自分で作っておくことは可能ではないだろうか。

(ちなみに既にプロとなった今は、洋服での外出も楽しんでいる)

◇◇◇

③「できない」と思わない

母は、着付けを習ってから「これはとてもできない!」と、思ったことが無いらしい。

これは「小学校時、クラスで最低の成績」から「東工大大学院修士卒業」までいった友人も同じことを言っていた。
「テストでどんなに酷い点を取ってもバカと言われても、自分が勉強ができないと思ったことはなかった」と。

ナチュラルにこういう人たちの頭の中をトレースするのは難しいけれど、意識的に自分の能力を否定せず、「絶対こんなの無理!!」という思考から、ただ「今はできない」という事実のみ見るようにすることはできる。
だって明日もやってみたら、できちゃうかもしれないのだから。

◇◇◇

他にも「なんだか知らないけど、簡単な気がしたの~」とか「うーん、最初は苦労したのかもしれないけど…サッパリ覚えてない!!」などの50代でスキルをプロ並みにした要因と思しき心構え的な発言もあるのだけれど、それらは少々真似しづらいので…

まずはこの3点を意識すると良いのではないかと思う。

思うって言ってるだけでは説得力ないので、「着付け」と「英語」に関してこの3点を意識して取り組む人体実験を自分でしてみよう。

前回のお太鼓結びレッスンでもう「できる気がしない!!」とか言ってしまったけど。
前回はできなっかた。それだけ。

そして最後に一番大切なこと。

何かを身に付けたいと思う時に、年齢は一切気にしないこと!!

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