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0925_赤い爪

【140字小説】
気にしているものこそ目に入る。笹崎が言い、私は小さく頷いた。彼女の赤いネイルを見た日から、町行く人のネイルが気になり、赤色の爪は輝いて見える。そしてひとたび本屋に入ったならば、恋愛に絡むエッセイばかりが目につく。どうしようもねぇなと一冊手にとり会計をする。表紙の女性は赤い爪をしていた。

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