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1009_泣き男

【140字小説】
雨がザァザァと何にも縛られずに降り続けるものだから、こちらも負けじと泣いてみたのだよ。そう言って、男は笑った。くしゃくしゃの笑顔には涙よりもやっぱり雨粒が多く触れているようであったが、その目には涙が浮かんでいる。どうしたって泣きたい時もあるしなぁと私は納得し、男を抱きしめて泣く。

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