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0823_私の名

その男は張り付いた笑顔で私の『名』を奪って行った。私の名は綺麗なものだった。夏の大空に翔る、清々しくて丁寧なたったひとつの名であった。それでも私は全てを手放してしまいたかったからそれも捨てた。「そこのあなた」誰かに呼ばれ、振り返ると誰もいなかった。それは私ではなかった。私は誰だ。

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