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0914_ただ側に

【140字小説】
「悲しい」と、子どもが下を向いた。友人とケンカをしたらしい。大人の私には何も言えることがなかった。ただ寄り添って、彼女の肩を抱いて、時々、胸に引き寄せ、また抱きしめる。彼女はいつも通り温かく、私は悲しくもないのに少し泣く。「嬉しい」子どもの熱が高まり、見ると顔をあげて笑っていた。

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