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0905_車窓から

【140字小説】
夕暮れ時、私は車窓の外を見る。揺れる車内と人々の熱気が肌に触れては離れていた。窓の外の風景も揺れては流れていく。その揺れる景色で、私は誰かと目があった。一瞬ではあるが、私の見ている窓枠の端から端までに流れて写るその間、確かに目があった。そして揺れて彼は消えた。車内と頬が蒸気する。

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