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0926_トオトウミ

【140字小説】
あと少しで、抜け出せる気がする。トオトウミさんは自信なさげながらもそう、言いきった。今、あなたがどこにいて、何から抜け出せるのか、私には彼女のそれらがわからない。私は「よかったね」と言ってみせた。少しだけ崩した笑顔で言い、トオトウミさんも笑った。トオトウミさんはいつも近くて遠い。

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