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毒親に育てられた私を救った映画。自分も毒親にならない為に・・
もうアラフィフ世代なので、いまさら親のことを書くのもどうかと迷いましたが、現在「毒親」で悩んでいる方、またはその心の傷に苦しんでる方のヒントになれば・・と、少し辛い過去を振り返ってみたいと思います。
また、
一本の映画との出会いを通して、その後どうやって立ち直ったのか
現在、自分が毒親にならないために気を付けている点
などについて生意気にも書かせて頂きます。
「毒親」に育てられた自分・・、不幸な子供時代は忘れよう
私の両親はなかなかの毒親だったと思います。
普通のサラリーマン家庭で、一見何の問題もない4人家族に見えたかもしれませんが
実際には、
・愛情表現、スキンシップがない
・家庭に「笑い」がない
・人格否定に繋がる言葉が日常的にある
・容姿に関しても容赦ない言われよう
・突然の暴力あり
・子供の話を聞こうとしない(無視)
・子供の悩みを聞きたがらない
という感じ。
2歳の時に父から酷く叩かれた際には目を怪我して1年間眼科に通ったそうです。
母からも「親が言ってはいけない言葉」を漏れなく言われたかと思います。
・お前は橋の下で拾った
・お前なんて産むはずじゃなかった
・何言ってるか分からない(私の滑舌に問題がありました)
・言うことを聞かないと孤児院に送る
・話すのが下手過ぎる、どんくさい
・みっともない、恥ずかしい
成人してからも、
・お前みたいな器量も悪く、愛嬌のない女は嫁にいけない
・お前みたいなつまらない人間はろくな仕事ができない
などなど。
基本、母からは「お前」か呼び捨て。
いまだにハッキリと覚えていますが、周りの友達のように「〇〇ちゃん」と呼んで欲しいと頼んでみたことがあります。
「いやだ。気持ち悪い。」
と断られました。(笑)
7歳にして、母親から「気持ち悪い」と言われる自分てなんなの?・・と途方にくれましたね。
また年子の弟のことは溺愛していて、「えこひいき」もあからさま。
子供なので、なぜ弟のことばかり可愛がるのか分かりません。
ある日「なんで?」と聞くと、
「だってしょうがないだろ。〇〇ちゃん(弟)は可愛いけど、お前は可愛くないんだから。」
と馬鹿正直に返され、グーの根も出ませんでした。
それでも私は健気で真面目(自分で言う!)だったので、グレることなく、親の注目を少しでも浴びようと必死に勉強しました。
まさに、眼鏡をかけたガリ勉少女。
ダサかったので弟からも馬鹿にされ、学校の下校中に弟の友達達と後ろから石を投げられたこともあります。
学校ではイジメもありました。
ただ、勉強でいい成績を取った時だけは、そんな母親も「スゴイじゃない」と褒めてくれたので、それが私の承認欲求、愛されたい欲求が満たされる瞬間でした。
その一瞬のために頑張ったので成績だけはよかったです。
そして中学生になると、父親から暴行を受けていた弟が私と母に対して家庭内暴力を始め、さらに辛い2年間を耐えることになります。
え~っと、
実際はこれ以外にも色々ありましたが、今回は毒親がテーマなので省きますね。
そんなこんなで高校生になると、いよいよその影響が出てきます。
こんな生い立ちで育ってきたら、まぁ当然ですよね。
常に強い不安感を感じるようになり、学校で座っているのが耐えられないほどに。
人前で話せない、友人と話せない、朝起きて、学校に行き、教室から飛び出さずに終了時間までひたすら耐える時間がつらかったこと!
人生、真っ暗でした。
正直言って、当時は親が憎かったですね。
こんな親に育てられたら誰でも人格を破壊され、普通の人間として生きるなんて不可能だ・・と憎くて憎くて仕方ありませんでした。
でも、「憎む」って、不毛なだけでなく死ぬほど疲れるんですよね。
そして、二十歳くらいになった時でしょうか・・。
1本の映画に出会ってから大分楽になりました。
「毒親」は諦めるしかないのだ・・と悟るきっかけになった映画
その映画は、ロバート・レッドフォードが監督し、1980年度のアカデミー作品賞を受賞した「普通の人々」です。
裕福な中流家庭に生まれ育ったコンラッド少年は海難事故で兄を亡くし、自分だけが助かってしまったというトラウマから、罪悪感と無力感に苛まれカウンセリングに通っています。
ところが、兄を溺愛していた母は心を閉ざし、苦しむコンラッドには手を差し伸べない・・。
母の愛や慰めが得れないコンラッドはますます精神のバランスを失っていきますが、そんな彼を支えるカウンセラーの指導が素晴らしく、優しく寄り添う父親の存在も救いとなります。
父親を演じるのは「24」のキーファー・サザーランドの父ドラルド。
ネタバレになるのでエンディングは省略しますが、私はこのコンラッドと自分を重ねずにはいられませんでした。
そして、スっと分かったんです。
「世の中には、子供を愛せない母親がいるんだなぁ。」
この、単純な事実を心から理解することができたのです。
この悟りが結果的に大きな救いになりました。
この映画のラストは素晴らしいですよ。
人の限界を知り、受け入れ、前に進む。
私もそうしよう。
そう思えた途端、憎む事で忙しかった心がふっと楽になりました。
そして少しずつですが、親のことがどうでもよくなってきたのでした。
「毒親」は徹底的に諦める。完全に気持ちを断ち切る。できたら実際に距離も置く
子供が親に愛情や慰めを求めるのは当たり前の本能です。
でも、求めても求めても傷つくだけの結果になるなら、求めたり、期待したりするのを止めるしかないのです。
親からの愛
親からの理解
親からの関心
親からの優しい言葉
親に認められたいという承認欲求
ぜ~~~~~んぶ!を徹底的に諦めます。
ただ、完全にその境地に達するのには、もちろん時間がかかりました。
ぶっちゃけ、七転八倒。
そして、果てしない孤独との戦い。
色んな葛藤の末に、なんとかそこまでたどり着くことができたのですが、決して楽ではありませんでした。
「親」を断ち切るために必要だったこと
その過程で一番大事だったのは、以下の5つでした。
完全に自立すること(経済的に、精神的に)
誰にも頼らずとも生きていけると知ること
自分に自信が持てる何かを見つけること
自分を大事にすること
没頭できる何かを見つけること(趣味でも仕事でも)
その為には実際に実家を後にし、親との距離を取っていくことも大事なステップになりました。
私は実家を出て一人暮らしをし、その後海外に住んだりした時期もありましたが、現在は結婚して日本の地方都市に住んでいます。
実家とは飛行機が必要な距離。
孫は可愛いようなので、年に1回は孫を会わせに訪れたり、あちらから来てもらったりしています。
不思議なことに、孫たちには普通~~の優しいお爺ちゃん、お婆ちゃんなんですよね~。
こちらにはトゲのある言葉も飛んできますが、まぁ数日なら我慢できます。
それから、定期的に孫の写真や動画も送っています。
今は親に対して自分を産み育ててくれた感謝の気持ちがあるだけで、憎しみなどの感情はありません。
ただ、自分を守る為に距離を置きたい。
ただそれだけです。
自分を守るのは自分です。
親にボロボロにされたと思うなら、「残念ながら自分は親には何も求められないのだ」と、諦め、静かに距離を取るのが結果的には自分を大事にすることに繋がるかと思います。
毒親に育てられると、自分も毒親になってしまう?
私は自他ともに認めるダメ母(汗)ですが、毒親にならないよう努力しています。
ズボラだし、デリカシーがないので口も悪い・・。
なので、ポロっと酷いことを言ってしまったりします。
先日も、生まれてから一度も自分で髪を梳かさない(そして私に梳かさせてくれない)9歳の娘に痺れを切らし「いつもボサボサで、ホームレスみたい。」と言ってしまいました。
「ホームレスなんて酷い~。酷すぎ~!」と泣く娘・・。
「はぁ、また出たよ。デリカシーなさすぎ。」と呆れる夫。
「ごめん・・」と、自己嫌悪な私・・。
ただ私は普段から娘には言ってるつもりです。
「世界で一番可愛いよ。」
「性格が明るくていいな~。」
「優しいお姉ちゃんで、妹の世話をしてくれてママも助かってる。」
「想像力が豊かでいいね。」などなど。
毎日言っているので、娘は私が世界で一番可愛いと思っていることを微塵も疑ってません。
「そんなの自分の子供だから可愛く見えるんだよ。母親だからさ。」
と冷静なコメントも返ってくるので、親の贔屓目であることもちゃんと理解しています。
こうして常日頃から、愛情を伝える言葉を繰り返していれば、20回のうち1回くらい、どうしようもない失言があっても許してもらえるでしょう。(と、期待してる。見逃して~!)
それに、私は自分の仕事や趣味にかまけていて、あまり教育熱心でもありません。
最低限、学校の宿題をやってればいいんじゃない?というスタンスだし、夏休みの宿題に至っては最終日に一緒にバタバタ追い込みです!
あれって、丸付けする方も大変なんですよね~。
私の丸付けも溜まってるので、2人でヒーヒー言いながら追い込みですよ。
そんな感じで、娘達からも「ダメ母」として大した尊敬もしてもらえませんし、「ママったら~」とダメ出しをしょっちゅうです。
ただ、私的にこだわりがある部分も・・
・週末は海や山に行って思いっきり遊ぶ
・夜寝る前には読み聞かせをして、スキンシップをふんだんに
・年に1度は1週間の貧乏旅行に行き、思い出作り
・子供達の写真を撮るのが趣味なので、カメラババアとして常に成長を捉えている
それくらいでしょうかね。
あ、あと私が特に強く言い聞かせているのは、コレ。
「何かに頑張らないと人生つまらないものになっちゃうよ。」
なんでもいいから、自分がやりたい!好きだ!と思うことには情熱を持って打ち込もう~。
と、それだけは事あるごとに伝えています。
それから「親の言うことなんて半分ボケてるから、自分で考えて決めるんだよ。」とも。
それと、自分が楽しそうに仕事してる姿を見せていれば、自然と「大人になるって面白そうだなぁ~。」と思ってくれるのでは・・という淡い期待もあって楽しそうに仕事してます。
それと、今はまだ小さいのでこんなものですが、将来進路の問題に関わるような時期になったら・・、
・本人のやりたいことを邪魔しない
・選択肢を増やす努力をする
・やり方を知っているなら伝える
そういう距離感の親になりたいなぁ~と願っています。(できるのかいな?笑)
時代は恐ろしい速さで変化していますからね。
私達の時代に正義だった働き方、正しかった生き方も、今の時代にはそぐわなくなっているケースも多々ありますので、変なアドバイスで邪魔したりはしたくないなぁ・・と。
なーんて、超理想論を書いてしまいましたが、そんなに上手くいかないでしょうね。
実際「歌手になりたい!」なんて言われたら、「それは無理でしょ。歌下手じゃん。」ってポロっと言っちゃうかも。笑
それでも毒親にはなりたくないから、愛情だけはしっかり伝えよう!
そして、過度の期待を押し付けず、本人たちの道を邪魔しないようにしよう。
そんなことを胸に刻み、デリカシーのない失言大魔王な私は今日もヘマをしながら、子供達に成長させてもらっています。
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