フランスの自分、ただいま、ひさしぶりだね。

パンデミックで留学の途中帰国を余儀なくされ、
泣く泣く日本に帰ってきたあの日から
２年半の時を経、やっとフランスにくることができた。

不思議なことに、
空港に降り立っても、
電車に乗って街の景色を見ても、

そして、街に降り立っても。

「フランスだ！」「懐かしい！」
というノスタルジックな感情は、一切わかなかった。

「戻ってきたな」
という感じがうっすらするだけで

友達と会っても、感動の再開、ということもなかった。

「あ、きたのね。」「うん」
と、あっけない感じであった。

前回のコロナ禍の帰国の時に
「フランスから日本へ帰る」という感じがしなくて

フランスの自分から
日本の自分に"戻る"だけで、

フランスにおいてきた
もうひとりの自分は、
そのままフランスで暮らしていくのではないか。

そんな感覚に陥ったのだった。

だから、
フランスを久しぶりに感じなかったのはきっと

フランスのどこかでのんびりと暮らしていた
自分に戻っただけだったからなのだろう。

さあ、今日はどこへ行こうか。
何をしようか。

とりあえず、
SIMカードだけは真っ先に買いに行かないと。