お風呂の入り方(自宅待機 4)
友人からお風呂の入り方について質問されたので、ここでお風呂の入り方を説明しておこう。
入院中は入浴時には入浴用のカラーに付け替えていたが、自宅では入浴用のカラーがないので、ふだんはめているカラーの布製のカバーを外して入っていた。
まず、横になって今つけているカラーを外し、カラーについている布カバーを外す。
布カバーを取ったむきだしのカラーをもう1度首にはめてお風呂に入る。
洗うのは国分寺のお姉様に教えてもらった方法で、シャワーを高い位置に掛けてお湯を出しっ放しにし、頭から順に下へ洗い下ろしていく。
腰を手術した人は立ったままの方が具合がいいからそうするらしいが、私も首を曲げて頭にお湯をかけられないので立って洗っていた。
シャワーのお湯を出したまま、シャンプーをつけて洗う間は自分がシャワーをよけている。
ふだんは首のカラーを濡らすとやっかいなので、顔もまともに洗えない。小さいタオルを濡らして拭くだけだ。
顔にせっけんをつけたらタオルを何回もすすいで、泡が取れるまで拭かなければならないから、顔の真ん中(いわゆるTゾーン)にだけちょっぴり洗顔フォームの泡をつけて洗う。
お化粧はしない。
お風呂に入っているときは、顔の隅々まで心置きなく洗顔フォームをつけて洗えるから気持ちがいい。
お風呂から出たらフェイスタオルを首のカラーに巻き付け、カラーの間から水が滴らないように、カラーのへりと首の間にはさみこむ。
それから、椅子に座って体を拭いたり、下着やパジャマを着る。
これは病院でやっていたのと同じ。
脚が弱くて立っていられないから、歯磨きも、顔を洗うのも、洗面所に椅子を置いて座ったまましていた。
体を拭いてパジャマを着たらふとんのところに行って、あらかじめ用意しておいたビニール風呂敷に頭を乗せて寝る。
横を向いて首のカラーをはずし、これもあらかじめ用意しておいた蒸しタオルで首の後ろを拭く。
首の前は頭を仰向けに戻してから拭く。
次に、外したカラーを乾いたタオルでよく拭いて、さっき外した布カバーを掛ける。
この布カバーがやけに伸縮性の強い素材で、カラーにはめにくいのがやっかいだった。
前後2つのカラーにはめるのに四苦八苦で、冬だからいいものの、夏場だったら、せっかくお風呂に入ったのに、カラーと布カバーと格闘して汗だくになりそうだった。
布カバーをはめたら再びカラーを首にはめる。それから起きてドライヤーで髪を乾かす。
入浴そのものより準備と後の始末に手間がかかり、いつもたっぷり2時間はかかっていた。
カラーのつけ外しは時間がかかるため、寝ているときに電話が鳴ったり、玄関のブザーが鳴ってもすぐに起き上がって出て行くことができない。
通販で注文した軽いふとんが届いたとき、カラーを外して寝ていたので、はめて出て行くのに5分ほどかかり、玄関に行ったときには配達の人は帰ってしまっていた。
不在票がドアにはさんであったのですぐ電話したら、配達の人が不機嫌な顔で戻ってきた。
「たった今来たんですよ」
と言うのでわけを話したが、ブスッとされてこちらもいやな気分になった。
ネットできる友人たちには品物を送らないように頼んだので、みんな気を遣って退院祝いの言葉をメールや掲示板に書き込んでくれた。
ネットしない人たちは年賀状の返事で状況を知って驚き、すぐにお見舞いを送ってくれた。
たまたま起きていて受け取れたものは良かったが、そうでないものは不在票が入っていても、配達の時間に起きて待っていなければならないので困った。
首の傷はもう痛くないので、カラーをはめたまま寝たらどうかと思ってやってみたが、夜中に目が覚めたら首が痛かった。
もう1度カラーを外して寝たが、まだ痛かった。
Yさんのお父様のように首が腫れてきたかと心配になったが、首に手を当ててみても腫れてはいなかった。
カラーを外したまま寝たら、翌朝は痛みが消えていた。
やはり、カラーをはめて寝たのがいけなかったようで、今まで通り寝るときにはカラーを外しておくことにした。
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