音楽。
これはイチナナでの配信中や、以前のブログ等でもお話ししたことがあるんですが。
"音楽"って、物心ついた時から当たり前にあるじゃないですか。
それについて、ポジティブに好きだ!とかって言うなら大歓迎だし、音楽って最高とか、素晴らしいなぁなんて話は私もよくするんですが。
たまにいるじゃないですか、こんなの音楽じゃない、とか言ってる人。
私はどうもそういう方と仲良く出来なくて。
というのも、昔ですね、約10年ほど前の話になるんですが。
私がライブ活動を始めてまだ2,3年目くらいの頃に、ウッドベースと歌だけのduoっていうのをやっていまして。
ウッドベースと歌しかないからこその自由さっていうのを楽しむライブにしたくて、当時の相棒とアイディア出し合って、アレンジ考えてって活動していたんですよ。
でもある時、とある先輩ミュージシャンから、
君たちがやってることは音楽じゃない、
なんて言われてしまいまして。
彼は有名なピアノトリオにも長いこといたことがある、所謂ジャズマンなわけですが。
そんな先輩から、音楽じゃない、なんて何のアドバイスでもなくただ否定するだけの言葉を受け取った私は、それはそれは落ち込みまして。笑
私たちがやってること全否定するなんて、、って憔悴しきってたんですが。
どうもその、音楽じゃない、って言葉が引っかかって、納得いかなくて。
このどうしようもない気持ちのまま、昔からお世話になっているライブハウスへと足を運びまして。
(私は昔から、落ち込むようなことや悩みがあると必ずそのお店に行って、オーナー夫婦に色々と話を聞いてもらってきました。)
その時にはたまたまマスターしかいなくって。
あら、あんなちゃんどうしたの〜
なんて声をかけてくれたんですが。
マスターは本当に心優しい方でして、私が作曲について悩んでいた駆け出しの頃にも、
歌って、歌心がある人にしか作れないんだよ
だから歌が歌えるあんなちゃんなら絶対作曲できるはず!
って背中を押してくれたこともありまして。
そんな優しいマスターに、実は自分たちが一生懸命やってきたライブ音源を聴いたベーシストから、
君たちがやってることは音楽じゃない!
って言われてしまったんですよ、、ともう泣きながら話しまして、、
うんうん、と静かに話を聞いてくれていたマスターでしたが、
一頻り話し終えた私に、
その、音楽じゃないって、、
じゃあさぁ?音楽ってどんな字を書く?
"音を楽しむ"って書くよね?
この音を楽しむ権利っていうのはさ、
誰にでも与えられたものなんだよ。
だから、音楽じゃない!なんて、そんなこと誰にも言えないはずだよ。
って言ってくれたんです。
私はマスターのその言葉に本当に救われました。
音楽って、そんな形式ばって塗り固められたルールだらけなものじゃないよなって。
そりゃ後付けかもしれない理論はあるけれど、
その前にもっと自由なものであるはずで。
誰かが一生懸命作ったその音楽を、あんなの音楽じゃない、なんて一概に言えないはずなんですよね。
ましてや直接そんなこと言ってわざわざ相手を傷付けることに何の意味があるんだろうとさえ思えてきて。
どうしようもないくらいに落ち込んでいた私を救ってくれたマスターのその言葉を、いまだによく思い出すんです。
その言葉があったから、前を向くことができたし、今でもこうして音楽を続けられていて、本当に感謝しています。
そのベーシストよりはるかに年上なギタリストでもあるマスターの優しい言葉は、今も私を支えてくれています。
言葉ってすごい影響力があるよなって、つくづく思うんですが。
そんな影響力のある言葉を連ねてメロディに乗せて歌うことは、もっと誰かに良い作用を与えられるかも知れないよなって、思ってもいまして。
だから今もこうして音楽を続けていたりします。
私がこうして音楽を通して救われてきた日々のように、もしかしたら、誰かの力になれる様な音楽を作ることができるかもしれないから。
ちなみに、、
私が諦めずに音楽活動を続けていった数年後に、そのベーシストと同じイベントに出演した際に、終演後すれ違うタイミングで"お久しぶりです"と、どういう風の吹き回しか、向こうから握手を求めてこられました。笑
その頃にはどんなに嫌な先輩ミュージシャンにも笑顔であいさつができる程に、素敵な仲間に囲まれた私でいられたことに心から感謝しています。
今日はこんな、"音楽"のお話でした。
それでは、また来週。
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