隣のおじさんがメニューをじっと見て「300グラムいっちゃう」とつぶやいたのを聞き逃さなかった

今日は予定がないので、渋谷へ。大井町線で『アネット』の19時30分の回を取った。お昼時に渋谷で降りてもどこも混んでいるだろうと見こんで中目黒で降りて山手通りを歩いて渋谷に向かうが、けっきょく道玄坂のお店でお昼をすませる。いつもはわりと入りやすい公園通り近辺の喫茶店がどこも空いていない。「あまおうがいっぱい 200%増量」とかかれたパンケーキ屋さんに行列ができているが、そんなことはけっしてないと思うが「2倍」という意味で「200%増量」と表記しているのだとしたら、なんということだと思う。モバイルバッテリーを充電できる席を探して歩き回っているうちに、モバイルバッテリーを充電すること自体が目的になっている。明治通りのプロントのモバイルバッテリーを充電できる席が空いていたものの、隣がマスクをせずに鼻をすすっている男だったので、避けて普通の席に座る。10分ほどしてその男が大きなくしゃみをしたので、二択を間違えなかったことに安心する。僕の周りの席が空くと、店員さんがアルコールスプレーを拭きちらしていくが、そんなに無造作に吹き散らされると僕の飲んでいるアイスティーに混じってしまうのではないかと不安になる。16時過ぎに店を出るが、『アネット』までまだ時間がある。モバイルバッテリーを充電できる店が、公園通り宇田川町センター街道玄坂と歩いても見つからない。日は落ちてきているのに汗が吹き出してくる。コートを脱いでも遅かった。このあと汗が引いてきてヒートテックがむずがゆくなることを見越して憂鬱になる。けっきょく公園通り沿いのデニーズに入って少し早い夕食をとる。混んでいたが、モバイルバッテリーを充電できる席に案内してもらった。隣のおじさんがメニューをじっと見て「300グラムいっちゃう」とつぶやいたのを聞き逃さなかった。店員さんを呼んで、おじさんは300グラムのハンバーグを注文していた。ユーロスペースを出ると、外国人が通りに集まってお酒を飲んでいる。彼らの騒ぎ方にはどこか品がある。最寄り駅に着いたのが23時で、これから (よくないけれど) 洗濯が残っている。家の近くのまいんばすけっとでお酒を選んでいると、ついさっきまで店の前でキスをしていた男女が入ってきた。

木曜日。オーディオブックを流して寝るのが日課になっているが、今日はスリープタイマーをかけていなかった。6時頃に目が覚めて急いで止めたものの、そこまで眠りの邪魔をされたという感じもしない。午後、外回り (営業職ではない)。フルーツオレを買ってコンビニを出ると、留めておいた自転車の前で35くらいの男がタバコを片手に電話している。「そこはもうキャッシュレスで〔…〕物理的なキャッシュの被害を被らざるを〔…〕私達はあくまでも中立的な立場をとらざるを」日中は気温が上がるということだったのでコートを着てこなかったし、しかも、外に出ると決めていたのに日焼け止めを塗ってこなかった(マスクだけでは紫外線を防げないことをさいきん知る)。薄っすらと肌寒く風も吹いていて、頭痛がしてくる。事務所に戻って書類を整理するなどしてぼーっと過ごしていると治った。クリーニングしたばかりのズボンをまいばすけっとの入り口に落とす。家から30秒のお店をはじめて利用したが、個人でやっているところなのか、仕上がりに5日もかかって困った。コンディショナーの本体を買い替える (昨日も本体を買い替えたところだったのだが、風呂場の床に落としてノズルがもげてしまった)。カビハイターが指についてにおいがとれない。目が覚めて、布団に座って歯磨きをしながら携帯を開くと午前3時過ぎだった。歯磨きをしきってからまた寝る。

日曜日。下北沢。ファストフード店で13時半まで時間をつぶす。たぶん芸人さんらしい二人組の一人の話。「自分の力量にあってないというか〔…〕これは食事というより、作業、おいしいとは思ってるけど、うそついてまでおいしさを伝える必要はないから、思ってる以上に食事っておもろいし〔…〕俺 "やってる" わけちゃうって、アピールちゃうって、俺の人間性的に、なんやろなあ、いやこれ難しい話になってくるけどやな〔…〕精神状態〔…〕おれ味わって食べたいやん〔…〕思ってもないし俺ゆってもないやん、アピールしたことないで、俺をマイナスプロモーションにつかうなよ、俺をマイナスプロモーションにつかうなよってアピールやで、よくないですね~あなた〔…〕俺おもんなコメントだけ残してるやん〔…〕食事なんてファストであればファストであるほどええんやから、逆にあなたいったいどうやってん」小道具の本を用意していなかった。高架下に新しくできたTSUTAYA BOOKSにはなく、駅前の三省堂にはあった (前者は気になっていたが、字の大きいビジネスの本が主に置かれている、後者と棲み分けができそうな書店だった)。みんなのペチカに出る。サンガイノリバティの楽屋でありがたいお話を受ける。

土曜日。品川区民なのに目黒川の桜を見ないのはもったいないと思い立って、目黒へ。今日中に終えたい作業があったが、喫茶店がどこも空いていない。すれ違った女性が携帯に証明写真を貼っている。小一時間散策して、東口を出て大通りに5分ほど歩いたとこにあるタリーズに入る。レジに並ぶ。会社の同僚らしき男女の会話。「経営側が〔…〕いまはそうじゃないんだよ、いらないんだよ 悪いけど〔…〕フランス人はだめだね、同族意識が強いから」目黒川沿いを、前後の家族の速さに合わせて歩く。川を挟んだ向かいで、たぶん大学生になったばかりのスーツ姿の男の子が家族と写真を撮っている。次の日のみんなのペチカの台本がなかなか思いつかず、五反田の喫茶店をはしごする。ここまで、時系列を遡る仕方で書いてきたのはなぜかというと、「品川区」の文言が記事の冒頭に出るのをいちおう避けるためである。


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