「「自我がある子がやだ」つった?」「ううん、あるほうがいい」

学生の頃から使っていた毛布を捨てた週に寒くなる。暖房をつけたまま寝てしまう。パジャマの上にパーカーを着て寝る。

シンクを掃除したくなる。重曹だけあってクエン酸がないのでコンビニへ。と、さっきパイプクリーナーを使ったことを思い出して引き返す。先日、混ぜるな危険をやったばかりだった。どちらにしてもクエン酸はコンビニで売っていない。

別日に、クエン酸を買いにコンビニへ。クエン酸が置いてなくて、重曹だけがある。贅沢をしてお酢で代用することにする。

傘袋をつけてくれる装置がなくなって久しい。

制汗スプレーがカバンにあるのにないと思って出先で買ってしまった。

夕方。渋谷。開店前のポーカールームのテーブルを女性スタッフ3人が囲んで、山積みになったチップをクロスで拭きながら談笑する。

夜。渋谷。公園通り。スターバックス。3階。大学4年生の集団。「私はさあ、トイレ行きたい」「そのほうが恋愛楽しくない? なれてくるとさあ〔…〕はじめがいいよね〔…〕かわいそうなんか、出会いないの?」「仲悪くなったっていってたよ」「なんで?」「ともやさんが彼女ばっかり」「いろいろあったよね」「へえ」「どうでもいいよね」「だいたいあれだけどね、別れてから二人と付き合ってるから」「やっぱり、追えないと、追われると引いちゃうわ」「わかるなんか、引いてくれると、追いたくなる」「追われてたほうが、安定してていいと思うけどさ、追ってるほうが楽しいよね」「「自我がある子がやだ」つった?」「ううん、あるほうがいい」「私はどういうきっかけで知ったか覚えてないけど知ってて、裏垢が〔…〕彼は特定の女子を好きなの」

仕事中に、昨晩ボディソープを詰め替えたときにキュッと閉めたか不安になる。水回りの蛇口を閉めたかも不安になる。携帯のメモには、「蛇口はしまっているか? 蛇口はしまっているか?」とある。

Bunkamuraのサイトでチケットの購入に手間取る。19時の回で濱口監督の『偶然と想像』を観る。日曜の最終回なので1200円だった。一行で説明できてしまうような筋書きを、役者たちの冗長な会話と迂遠な動線に待たされながらゆっくり辿ることの心地よさ。

同業者にうけるミュージシャンのことをミュージシャンズ・ミュージシャンというらしい。その筆頭格はティーンエイジ・ファンクラブというバンドらしい。

大井町線。緑が丘。向かいのホームの赤ちゃん(といっても1歳前後くらいの大きさだった)と目が合う。ベビーカーを固定してリュックの中を探る母親とは違っておでこが広く、その場所にはいない父親の顔を想像する。

下北沢。遊歩道のベンチ。カップルが通りすぎる。「わりいわりい、そしたら拭いてたじゃん、じゃなくとも」

日曜日。グレイモヤの帰り。中野駅の構内。大学生くらいの女性の集団が女性の駅員に注意(?)を受けている。各自が下げているビニール袋はプラスチックのゴミでいっぱいで、キャリーケースの一つからは汁がたれている。タコパでもしたんだろう。先月、品川駅で30代くらいの女性が、泣き叫ぶ子供を地べたに押さえつけて(デモ隊と衝突する警官みたいに)羽交い締めにしていて、駅員がさすがに声をかけていた光景を思い出した。五反田で池上線に乗り換えると、端の3人分くらいのスペースに布がかぶせてある。池上線で吐くなって。まじで。

年度のはじまり。命令系統の上司が全員優しいおばちゃんになった。

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