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0604。沼に落ちた話。

唐突に趣味な話。
沼に落ちたって言ってもリアルな沼じゃくて、オタクのいう作品などにハマってしまったという沼落ちのこと。

まぁもともと漫画が好きで、アニメも好きで、声優さんも好きだし、いわゆるサブカルと言われるものは子どもの頃からとても好き。
ただ、アニメに関しては社会人になって、結婚もして、日々の生活の方が比重が高くなるにつれて新しいものをいくつも見るというのは私には難しくなった。

だからって見てないとかでも全然なくて、今どきは配信サイトなんかも充実してて、加入さえしてれば何年か経っても見ることができるし、毎週見忘れないようになんて思う必要も無いというだけ。
見たい時に見たいところだけ思う存分に見られるのはとてもいいね。
そういうのもあって、一応毎クール何が放送されるのかチェックはするけど、そのクールに心底リアルタイムで追いかけたいほど気になるものや面白いと思えるものが無ければ割と後からまとめてゆっくり、なんてことが多くなった。

前置きが長くなったけどまぁそんな感じで今回落ちてしまったのはBANANA FISH。
作品タイトルだけなら聞いたことあるってくらいには有名だと思うし、実際放送されてた2018年もアニメをやってる事は把握してた。話題にもなったしね。

なんで観てなかったんだろうと思ったけど、当時春先から骨折で入院しててちょうど放送が始まったころに退院してそのあとリフォームだなんだと骨折に際して生活環境を変える必要がでて、その準備に年末くらいまでバタバタしてたからだ。たぶん。ゆっくりアニメ観てる気分じゃなかった。

そんなこんなで約2年後、突如沼に落ちた。落ちてから少し経つけどまだズブズブ沈み続けてる気がする。
このひと月前くらいにTwitterのフォロワーさんがBANANA FISHを見てハマり、イラストをよくアップするようになった。
その人は別作品のイラストを描かれているところから知って、むちゃくちゃ絵のテイストが好みで一方的にフォローして、時々リプっているんだけど、作品が変わってもやっぱり好きなイラストであることは変わりない。
すごい綺麗なんだけど、どういう意味や気持ちが込められているのか、ちょこっと触れてる小ネタっぽいことは何なのかは作品知らなければ汲み取ることが出来ないんだろうなと思って。
好きな人が好きな物を知りたいみたいな気持ちに動かされまぁものは試し、と軽い気持ちで見たらダメだった。

原作を読んだ人の感想で観たら日常に支障が出るという意味合いのものを見かけたりもしてたけどいやいやまさか…と思ったけど甘かった。

このブログを見てくれるひとが作品のことをしっているのか、知らないのかとかは分からんし、ネタバレ的な表現を含むことも書くから知りたくない人はご注意ください。

まぁまず観て最初に思ったのは何十年前の少女漫画でよくあの内容で連載してたんだ…ということだった。いやまぁ少女漫画でもそういう血生臭いもの読んでますけども🤔(これはまたいつか語る)
原作は読んでないけど、話の大筋などは同じのはずなので、アニメとしても(フジのノイタミナ枠だとしても)結構画面赤かったり頭撃ち抜かれたりを割と描いてるのでそこもすげぇ…と思った。

制作会社がMAPPAだったのも良かった点だと思う。作画が良い。
あとOP、EDが2期通してすごくいい。
OPは疾走感があり、EDは主人公の抱える暗く重い部分を表すようだった。このストーリーにあからさまなハッピーエンドは無いんだろうな、というのを感じた。

実際、主人公が最終回のラストで死んでしまって、ほんとに全然幸せじゃない。
あれだけ親友とピンチを切り抜け、誰にも心の内をオープンに出来なかった彼が唯一少年らしく、年相応に振る舞える親友と出会いまた今までとは違った道を歩めたかもしれない、そんな希望を一瞬でも感じた矢先に死んでしまった。ハッピーになるかもと思った瞬間に絶望突きつけられたような。もともといい結末ではないかもしれないと思ってはいたけどだからこそ少し明るい未来が見えたように思ったところからの落ち具合に私は割とダメージを受けた。

でもじゃぁバッドエンドだったのかと言われると、いやそいうわけではないと即答はする。

死ぬ間際、親友からの手紙により、きっと彼は親友に出逢えてそれにより今まで罪の意識やトラウマ、自己嫌悪様々な苦しみから救われたのかもしれない。そしてその気持ちで最期の時を迎えることができたのならば彼は人生の中で1番と思えるほど幸せを感じていたかもしれない。

数えきれないほどの人を殺してきた主人公に、生きてハッピーエンドを迎えることは許されないのかもしれない。仮にあの瞬間殺されなくても、きっといつかは誰かからの報復やこれまで通りトラブルに巻き込まれ命を落としてしまったかもしれない。

だったらあぁいう形ででも幸せを感じて死ねたことはハッピーエンドと言えなくもない。

でもそれでも19歳の少年が背負うにはあまりにも生い立ちもその結末も辛くて、親友と最後に話したのが病院の、あんなほんのちょっとの時間じゃなくて、もっとちがう形でも良かったんじゃないかという思いは消えない。
ただそんなだったからこそ最後の手紙が託されるに至ったんだろうし、手紙だったから「僕の魂はいつも君と共にある」という、主人公にとって幸せを感じられる言葉を伝えられたのかもしれない。

どうすればハッピーエンドなのか、いやだからこれがバッドエンドってことでは無いんだから…と、結局結論が出ず悶々と作品や出てくるキャラクターに思いを馳せてしまう。

最初の方に書いたけど、OPもEDも本当に作品に合ってるし、1度観たあとに聴くとあぁそういうことを歌ってるのかとグッとくることも多くて何度も聴いてしまう。

だいぶインパクトが大きくて、観てから少し経つものの全然抜け出せず、アニメも周回してしまう。
そして観れば観るほどあぁでもないこうでもない、と考え心を痛め、そしてちょっとほっこりするシーンなどに癒され、どうか最終回のあのあと、遺された人達が少しでも前向き生きていけますように、死んでしまった主人公の魂は安らかでありますようにと願ってしまう。

ちょっとダラダラし始めたからこの辺りにしとこうと思うけど、この良いも悪いも付けられず色々な可能性や未来を考えたり祈ったりしたくなるような話になっているから、ずっと心に残り、それがBANANA FISHが名作と言われる理由の中にあるかもなと思った。
誰でもが思うようなハッピーだけで終わったらこんなに心に残ることはないかもしれない。
悲しさの中に幸せがあり、でももっといい未来もあったかもしれないと考えを巡らせることが出来ることが魅力的だと思う。

BANANA FISHを完結させるためには原作の番外編である光の庭を読むべきというのも見かけた。
原作は今集めようと思うとちょっとすぐには難しいんだけど、番外編だけならすぐ入手できそうだから買って読んでみよう。
7年後の話ということや大筋は知ってるけど、きちんと読んで見届けよう。

流行りものや人がハマっているからといってじゃあ自分も、とはなかなかならない性格なんだけど(あまりに人気がありすぎると逆に1歩引いてしまう)、今回は若干動機が不純なようにも思うけど結果的に本当に作品に出会ったなと思った。
まだ暫くは心に受けたダメージから抜け出せない気がするけど、作品にハマりたてのこの熱量は今だけしか味わえないので、思う存分楽しんでいたい。

…しかしほんと彼らなんであんな結末に…うっ…(;A;)(エンドレス)

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