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家にいる時間が増えた今こそ、「花のある暮らし」を

皆さんは、「花のある暮らし」してますか?
日々忙しく過ごしているとそんな余裕はないかと思いますが、そういう方にこそ部屋に花を飾ってみることをおすすめします。
特に今はコロナの影響で家にいる時間が増えた方も多いと思うので、これを機に花のある暮らしを始めてみてはいかがでしょう。

私は以前花屋に勤めていたのですが、その頃に花のある暮らしデビューしました。ちょっとやりすぎ感ありましたが…

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コロナにより花き業界も厳しい状況

新型コロナウイルス感染拡大の影響で祭事が減り、花き業界も大打撃を受けている様子。この状況を受け、農林水産省が需要喚起のための取り組みを発表しました。

私も元花屋として、お世話になった職場の皆さんや、生産者の皆さんの顔が思い浮かび、応援の思いで記事を書くことにしました。

ヨーロッパでは日常的に花を飾る

ヨーロッパの国々には何度か訪れたことがありますが、街には花屋が多く、スーパーの袋と一緒に花を持っている人をよく見かけたり、カフェやレストランのテーブルには必ずと言ってよいほど生花が飾られていたりと、花を飾ることが多くの人にとって当たり前の日常なのだなと実感しました。

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▲カフェのオープンテラス席にもよく生花が飾られている

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▲街中のスーパーでも花屋さん級のラインアップ

他に日本と海外の文化の違いで言うと、バレンタインデーに日本では女性から男性にチョコレートを贈りますが、海外では男性から女性に花を贈る、というのもありますね。

花を飾るとどんな良いことがあるか

部屋に花があると癒される、元気になる、という感覚はなんとなく経験としてあるかと思います。
切り花は生産地から切られて出荷されますが、花瓶に活けられている間も生きていて、大体1〜2週間は持ちます(種類や環境、お手入れによりますが)。その見た目の美しさや芳醇な香りはもちろん、飾っている間花が開いていくさまに「生」を感じられるのが、癒されたり元気になることに繋がるのかなと思います。

アカデミックなソースはこちらをどうぞ。

【論文】観葉植物, 花, 香りが人間に及ぼす生理・心理的効果の脳波およびSD法による解析
https://www.jstage.jst.go.jp/article/aija/63/509/63_KJ00004222651/_pdf/-char/ja

飾るなら生花を

花屋に入社した時に、社長夫人に聞いてみたことがあります。「ご自宅には常に生花を飾られているのですか?」と。
「常に良い状態の生花を飾り続けないと目が曇るので、飾る時は最高品質の生花を飾り、アーティフィシャルフラワー(造花)やドライフラワーは絶対飾らない」と仰ってました。

花に限らず、どんなものでも常に一流のものに触れていると目が肥えるというのはありますよね。
とある経営者の方からも、「店や事務所には枯れ木やドライフラワーは飾らない。事業が"枯れていく"ような気がするから。」と聞いたことがあります。

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花を長く楽しむための花選びとお手入れ

お花屋さんの店頭に並んでいるものの中では、長持ちしそうな花を見極めて選びます。イベントごとやギフトでその日に渡す(渡す時に見栄えが良い必要がある)というわけではなく、自宅に飾って長く楽しみたい用であれば、なるべく蕾に近く花びらが開いていない状態のもの、ステム(茎)が長いものを選ぶと良いです。花びらに傷が付いていないか、ステムが折れてないかなどもチェックします。

花の種類によっても選ぶコツがあります。例えばこれからが季節の芍薬では、蕾がカチカチのものよりは、少し開く兆候が見えているものが良いです。芍薬はその性質上、蕾が開かないことがよくあります。蕾についているベタベタした蜜を拭き取ってあげるのも咲かせるコツです。

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お手入れの方法で私がやっているのは、

・帰ってきたらすぐ水に浸ける(お花屋さんで根元を湿らせた脱脂綿で包んでもらいさらにアルミホイルで包んでもらう or ジェルを付けてもらう。常に水に浸かっている状態でいること。)
・根元(水に浸かる部分)の葉は取る
・花瓶はきれいにしておく(毎回ちゃんと洗う)
・水換えは毎日
・栄養剤を少し入れる
・少し時間が経ったらステムを短く切って活け替え(水が上がるように)

くらいです。(まあまあ適当)
これでもちゃんと1〜2週間は持ちます。

活け方に役立つ、華道で習ったこと

花屋に勤めていた時に小原流で華道を学んでいて、そこで習ったことを花瓶に活ける時にも結構意識しています。
流派によって活け方の特徴に違いがあるのですが、小原流では基本的に「主枝」「客枝」を決めて、それらの長さや傾きなどのバランスを決め、形を作っていきます。(小原流の中でもさらにさまざまなスタイルがあるのですが)
普段花瓶に挿す際は剣山は使わないので、同じような形にするのは難しいですが、参考になるポイントは多いです。

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▲お稽古で活けた花

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▲花瓶に活けた花。剣山がないので、角度や花の向きがなかなかパシッと決まらないのが難点ですが、意識はして活けてます。

ここでちょっとした雑学ですが、フラワーアレンジメントといけばなの大きな違いは、余白があるかどうかです。アレンジの方は花々をぎゅっと詰めて作るものが多く、いけばなでは逆に少ない花で余白(隙間)を活かして全体を整えます。「間」を活かすことは、日本文化らしいですよね。

お気に入りの花瓶を持つ

さまざまなデザインの花瓶がありますが、1つや2つお気に入りのものがあると、継続して花を飾るようになるのかなと思います。(花が入っていないと寂しくなる…)
花屋時代に、「店頭で花瓶販売始めよう!」となり、バイヤーとして花瓶の展示会などに足を運ぶことがありました。
その時に色々見て、「TISTOU」というところが扱うブランドのものがどれも素敵で、勢い余って10個くらい個人的に花瓶を買いそうになってしまいました。(自宅にそんな置くスペースないのに…)

特に好きなのが、ベルギーのブランド「Henry Dean」です。
http://www.henrydean.be/
手づくり感があり優しい印象なのと、1つ1つオリジナルな感じなのが良いんですよね。

これは日本のメーカーClayさんのfujiという花瓶です。
これくらい小さければ、デスクでも邪魔になりませんね。

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以上、花の素人が花屋になって体験したことや知ったことをベースに書いてみました。少しでも「花のある暮らし」をしてみたいなと思った方が増えたら嬉しいです。


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(PR記事ではないので、敢えて店名は伏せますが、私の勤めていた花屋の扱う花は本当に最高品質だったと思います。離れてみてわかるってやつですね。
気になる方は、青山通りと骨董通りの交差点にあるお花屋さんに行ってみてください。→ほぼPRしちゃってるけどこれ…)

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