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9年の韓国生活で変化した価値観~異なる意見を受容し生かす~ | 私たちのAnother sky #9

皆さんの周りには海外生活や国際結婚を経験されている方はいますか?
最近海外のアイドルやドラマなどが流行っていて今までよりも海外からの情報もぐっと多くなり身近に感じられるようになりました。

今回は9期の海外コミュニティCPであるなごみさんにインタビューを行いました。なごみさんは、大学時代にアメリカへ交換留学をしそこで出会った方と国際結婚をされています。国際結婚でのメリット・デメリット、また現在海外生活において感じていることについてなど様々なお話を伺いました。

マガジン「私たちのAnother sky」では、キャリアスクールコミュニティSHElikes受講生の、海外経験で起こったマインドチェンジストーリーや、これから海外を目指すための情報をご紹介しています。あなたの人生の選択肢に「海外」が増えますように✨
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海外で生活するまでの経緯

Q1 なごみさんの海外との接点を教えてください。

なごみさん

中学のころから語学の勉強が得意でしたが、その頃はまだ海外との接点はありませんでした。両親が中学で出会って結婚、そのまま地元を出ずに過ごしていたこともあり、私自身のコミュニティがとても狭かったです。

実家がお寺ということもあり、地域の方との触れ合いも多く、外食に行くのも慎重になってしまうほど、人の目を気にして生活していました。そしてそのような状況を変えたい、とにかく実家を出たいという思いを持っていました。

大学在学中に1年アメリカへ留学する機会があり、初めて海外で過ごすことになりました。帰国後にすぐ就活を始めることになったのですが、就職したらもう人生それで決まっちゃうような気がして。どうしてももう一回違う国で海外に住みたかったんです。だから卒業後は大学の研修で滞在したことがあり文化が入り混じっているところが好きだったシンガポールで日本語教師として就職しました。


Q2 国際結婚に至った経緯は何でしょうか。

留学中の写真

大学で留学した時にアメリカで出会った韓国人の夫と結婚しました。留学から帰った後は、前述のとおり自分はシンガポールで働いて夫はドバイで働いていたので遠距離恋愛をしていました。

遠距離恋愛と聞くとストレスに感じてしまいそうですが、遠いからこそ自分の生活のペースを守ることができたのが自分には合っていたようです。結婚を機に渡韓、韓国には1ミリも興味がなかった私ですが、現在韓国で生活を始めて10年目になります。


国際結婚を経て得たこと、乗り越えたこと

Q3 国際結婚に対して難しく感じていることはありますか。

韓国では日本人である私はマイノリティーなので、考え方などを合わせなければならずストレスに感じることがあります。

数年前、政治的な問題から特別に日韓関係が悪くなっていましたが、そのような情勢も海外生活に大きく影響を及ぼします。私も多文化センターで日本文化を教えていた時、日本に対するネガティブな感情に直面することがありました。当時韓国では「NO JAPANの運動」が盛んだったため、公共交通機関でもNO JAPANの文言を目にしたり、韓国で日本製品の不買運動が行われており、日本製品を売らないように規制がされていることもありました。

日韓関係が悪化することに対して自分ではどうすることもできないけど、そんな中でもたくさんの日本人が韓国で生活していることを韓国の人にも知ってほしいと思います。私の韓国での苦労や努力、決断などが全て否定されているような気がして本当に辛かったです。


Q4 反対に国際結婚をしてよかったことはありますか。

韓国の写真(家の近くの漢江にて中秋の名月を眺めている)

国際結婚に限らず海外生活を通じて感じたことですが、新しい価値観を知ることができよかったと思っています。全く関心のなかった韓国に来て、結婚しなければ知ることがなかった韓国の価値観に触れることができました。それによって「文化背景の異なる人たちとどう関わっていくのか」をより深く考えることができたように思います。

特に子育てをする上で、異なる価値観を知りながら子育てをしているととても楽だと思います。こうしなければいけないという概念があまりなく、何が正しいのか、何が子供にとって私たち家族にとっていいのかという目線で物事を見ることができ、お互いの国のいいところを吸収しようとする姿勢が自ずと身につきました。

海外で子育てというとバイリンガル育児も話題に上がりますが、実際は簡単ではありません。子どもに日本語と韓国語の両方を習得してほしいと思う反面、日本語学校に毎週連れていくのも大変ですし多くの宿題も提出する必要があります。ただ国際結婚をして、子供に日本と韓国という2つの国で生きる選択肢を与えられたことはよかったと思っています。


意見をポジティブに受け取り、人生に取り入れることが大切

Q5 難しく感じていることをどのように乗り越えましたか。

ソウルの楽しい夜

乗り越えたというより、いい悪いで判断せずそういう考え方もあるのか、と受容することを意識しています。
日本人のコミュニティに入っていたとしても同じ考え方をしているわけではありません。ほかの人から得た意見のポジティブな面を人生に取り入れることができるし、海外では特に、自分軸をはっきりさせつつ他人を受容しバランスを取って生き抜くことが大切だと思います。


Q6 韓国生活を通して変わった部分はありますか。

韓国に来たことで価値観が破壊されました。
特徴的だったのは、韓国人は何かを改善する熱意があることです。以前朴槿恵大統領の不正が発覚した際に退任させるためのデモに多くの方が参加していたのを現地で目の当たりにしました。「改善したい」という思いを実際に行動して表現する方が多く、小さなことでも積極的に声をあげています。

私は当初、韓国人がそういう声をあげることはいい印象ではありませんでした。しかし、9年という長い月日を経て確実に韓国が成長している姿を目の当たりにして、自分が感じている不都合に対しアクションを起こすことは大切だと考えが変化しました。日本人は我慢しがちですが、周りの状況が改善するならどんどん声をあげていったほうがいいと思います。


海外コミュニティCPとしての活動はプレゼントのような期間だった

Q7 SHElikes海外コミュニティCPとして活動してどうでしたか。

SHElikes海外コミュニティのイベントの写真

CPとしての活動期間はプレゼントのような期間でした。
普段の生活との両立で大変でしたが、自分のやりたいことを見つめ直すこともできましたし、マガジンの企画などやりたかったことを実現することができました。
行きたくて行った海外と、行きたくないけど行った海外。両方経験しているからこそ語れることがありました。シーメイトさんに対して海外へのきっかけを届けていくことが目標でしたが、海外経験で得たエネルギーを伝えられていればいいなと思っています。


Q8 今後の展望を教えてください!

海外生活を経験しているからこそ、日本の生活がいかに恵まれていたか気づき感謝の気持ちが芽生えました。海外を知らないと恵まれてると気づかず、自分自身の国のことが見えにくいと思います。

日本という豊かで恵まれている国で育ったということに感謝する反面、韓国での国が改善されていくスピードを感じていると、日本はこのままで大丈夫なのか、懸念する気持ちも同時に湧いてきています。これからは日本社会に対してできることも考えていきたいです。

次にチャレンジしたいことの1つとして、実家であるお寺の新しい可能性を模索したいと考えています。近年宗教を信じる人も減ってお寺に通う目的がなくなり、お寺離れが顕著になっていると思います。しかしSHElikesに入ったことで、お寺にもたくさんの可能性や社会的役割があることを知りました。さらに自分の持っている広い視野を取り入れた新しい形のお寺のあり方を考えていきたいなと思っています。


Q9 最後にoverSHEメイトに一言!

国際結婚を経て韓国生活をすることになりましたが、新しい価値観に出逢うことが多くありました。沢山の人に海外に出てみるという選択肢を持ってほしいと思っています。自分自身の強みや持って生まれた環境についても見つめられるとてもいい機会になり、現状を打破するヒントを見つけることができるかもしれません。


あとがき

海外に行くなんて怖い、と思うかもしれませんが、語学留学など何かきっかけをつかんでいってみると、思った以上に自分の世界を広げるチャンスとなるはずです。インタビューしながら私も海外に渡航したいと改めて思わされました!この記事が海外に触れる1つのきっかけになることを願っています。

企画:SHElikes 9期海外コミュニティ
執筆:Anna
バナー画像:Halcana


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