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【休職日記】人生初の心療内科レポ

前回の投稿では、心療内科受診に至るまでの経緯を振り返った。
今回は初めての心療内科受診についてと、カウンセリングを受けて考えたことを書いていきたい。

〇心療内科に抱いていたイメージ

正直なところ、心の不調でお医者さんに掛かるのは抵抗があった。

本当に失礼な話なのだが、精神科や心療内科と聞くと、映画やドラマの錯乱した患者が周りの人に押さえつけられながら運ばれていくような場面が思い浮かんだ。
心のどこかで、自分はそんなにおかしくないし、仲間入りしたくないと考えていた。

〇診察室の扉を開けると

紹介してもらった病院の先生は、白髪を個性的に伸ばしたおじいちゃん先生だった。
一般に心療内科の先生に対して、「穏やか・とにかく患者の話を聴く」というイメージを持っていたが、私の主治医はその反対で、「さばさば・とにかく先生がよく喋る」というタイプだった。

相性は人それぞれなので、これから受診を考えている人は口コミなどを参考にしつつ、自分に合ったタイプの先生を見つけてほしい。先生との相性は治療を進める上で重要だと思う。

私にとっては、さばさばしていてよく喋る主治医の先生は好ましかった。
何しろ初診のときはずっと泣いていたため中々うまく話すことが出来ず、自分の症状を説明するのすら億劫に思えていたので、先生が「じゃあ今○○な感じでしょ?朝起きて✕✕するのもきついよね~」というように、私の思いを代弁してくれるのはかなり助かった。
(しかもことごとく当たっている。同じようなケースを何百回も見ているからだろうが、やはりプロはすごい。)

それから40分ほど、症状のこと・会社のこと・家族のことなどを話したあとに、先生は次のように言った。
「仕事のストレスによる適応障害で軽いうつ状態になってるみたいだね。あなたぐらいの年次ではよくあることだよ~。こんな言い方はあれかもしれないけど、聴いている限りそこまでひどい症状ではないし、いったんストレス源から離れてみようか。人生は長いから大丈夫大丈夫。会社のキャリアもこんなことでどうにもならない。」
「まずはとりあえず1週間会社を休みなさい。1週間以下なら診断書はいらないから。」

改めて文字にすると、患者に大したことないと言うのはあまり良くないような気もするのだが、自分はどうなってしまうのだろうと深刻に思い詰めていた私にとってはプラスに働いた。
これが医者が医者たる所以かもしれないが、患者の症状を軽視しているわけではなく、つらさを受け止めた上であなたは大丈夫だ、と励まされているように思えた。(もし同じことを周囲の人に言われても素直に受け止められなかったと思う。)

そして、こんなに簡単に会社って休めるものなんだ、とあっけにとられた。
今振り返って、一旦会社から離れることは絶対に必要なことだったと思うけれど、お医者さんに休みなさいと言われない限り、有給をくっつけて1週間休むなんて決断は絶対にできない。

その1週間後、2回目の診察でもう少し長期での休みを勧められ、診断書を書いてもらい1か月間休職することになった。

〇受診を終えて考えたこと

はじめての受診と、2回目の診察を終えた今、私は「みんながもっと気軽にカウンセリングを受けるようになればいいのに」という、元々の考えと正反対の思いを抱くようになった。

日本でもメンタルヘルスに対する関心は年々高まっているが、米国のようにちょっと心配事があるときにカウンセリングに行く、といった病院の使い方は稀ではないだろうか。
以前の私自身も感じていたように、心の不調を訴えることは一種のタブーになっているように思える。

しかし、受診を経て、症状が軽いうちに専門家に診てもらい、適切なアドバイスをもらって、必要に応じて投薬治療をうけることの大切さを実感した。

国民皆保険の日本では、安価で専門家に悩みをきいてもらえる。
私の場合、3割負担・初診料と薬代込み・40分のカウンセリングで自己負担は4500円程度だった。これってすごいことだよね。
しんどい時に病院に行く習慣があまりない人は(言い方は悪いが)もっとこの制度を使い倒してもいいんじゃないかと思う。

そんなにひどくないのに病院を利用するなんて、と罪悪感をもってしまうのも分かる。私もどちらかと言えばそのタイプだ。
でも、私たちはしっかりと毎月保険料を払っているわけだし、それに対するサービスを受け取る権利はある。
それに、重症化する前に治療を受けておけば、働けなくなるリスクが減り、結局は国のためになるとも考えている。

なので、しんどい時は尻込みせずに一度病院行ってほしい。
一番大事なのは自分の体だし、自分を守れるのは結局自分自身しかいないから。


以上、心療内科に行って考えたことでした。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

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