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私が「わたし」であるために、「わたしの店」をもつのをやめました。

私は今、函館市の弁天町にある旧野口梅吉商店という古民家を改装して「わらじ荘」と名付け大学の友達と住んでいます。

昨日、6月1日、わらじ荘の一階にて、住人であるごーくんが、得意の手作り料理とビールの知識を活かして飲食店をオープンすることになりました。17時~23時のオープンです。

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コロナ前の計画

日中は図書館と工房と喫茶店を兼ねあわせた、「図書工房てまひま」という「わたしのお店」をやる予定だったんです。当初の計画では、不特定多数の方に開くということを目的としていました。(学校が唯一ない私しかお店に立てないこともあります)

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しかし、コロナの状況になったことで、お店をプレオープンしたきりで、開店できませんでした。
そんな自粛期間中でも、本当に来たい人は、ここにきます。悩んだりもやもやする中で、実践してみたいと行動を起こした人もいます。来る人は来てくれる!
そして店じゃないから、お客さんだとか、定員だとかの壁がなくて、フラットなことがこのわらじ荘で、何かを実践したいという人の能動性を引き出していたのだと思います。

そんな時に、不特定多数の方を「お客さん」として構える店をつくっていいのか?と、だんだん、もやもやしてきたんです。そして自問自答を繰り返します。

ででーん!自問自答コーナー
Q.イマココでわたし、一般的なお店もちたい?
A.うーん...わたしがここで、お店という手段をつかって、自分が表現するのはなんかちがう!! 

そう、私がわらじ荘でしたいことは、自分の表現の場ではなく、
「あのひとの表現の場をつくること」。あのひととは、一緒に住んでいる学生だったり、近所の子どもたちだったり、日常にもやもやして、なんだかやりきれないなあ、という特定の人のことを指します。そのひとが自分らしく育つ場所・自分で自分をつくる場所を作りたいのです。だから、不特定多数の人に来てほしいのではない、特定の人の表現の場にしたい!そう思いました。

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でもそれは、学校ではないと思っています。

わたしの中高時代

私は昔から、ずっと学校という場所と合わなかったんです。
「なんで偏差値で決まるんだろう?」とか、「なんで部活してたら偉いんだろう?」とかすごくもやもやしていました。そして学校では、先生と同学年としか出会えないため、周りがもやもやしていなくても、自分がもやもや思っていることをずっっと、否定しながら、生きていました。友達は沢山いたけど、心の中では一人だったんです。

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学外活動のおもしろさ

大学にはいり、そのもやもやを消すように、私は学外で、多くのボランティア活動に参加したり、地域に出まくっていました。その中で、企画側を担うことが多かったんです。そして企画を担うことで色んなことを学びました。どうしたら人は来てくれるのか。どうやったら組織をうまくつくっていけるのだろうか?私はこれしたいのかな?今自分わくわくしているのかな?とか。

そうやって作る側を担うことで、自分のことを表現し、フィードバックをもらい、自問自答し、改善するという一連のプロセスが本当の学びだったのです。

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そして、その学びが自分らしく生きるための土台となり、自分の幸せにつながりました。

そして「それは私だけじゃないんじゃない?」と仮説を立てています。
人がなにかを「つくる」ことで学ぶことが、一番そのひとらしく、人間らしいのかもしれない。だからそれが本当か実験したい。

↑↑ココが一番大事!!!!


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わらじ荘でやりたいこと

私が、わらじ荘でやりたいことは、「ひとがそのひとらしく生きる場作りの実験。」わたしがその人を作るのではなく、その人がその人らしく、自分をより自分らしくつくっていく場をつくることができるのかどうかをわたしは実験したいのです。

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わたし自身が何かをしているよりも、何かをしたいと思っているあのひとを応援したいんです。「何かやってみたいな~」ってこころの奥底で思っている人が「やってみたら、やっぱ、おもしろいかも!」ってきらきらするのを、みるのがスキなんです!!
それが自分が人生でもっともみたい光景、そのもの。


例えば、
一緒に住んでいるさやかがやりたいといったあおぞら図書館。

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三密を防ぎながら本を読める絶好の企画です。これをしているさやかは本当にきらきらしていて、素敵だった。それ以外にも色んな企画をしてみたいといってくれる大学生・高校生にオンラインで出会いました。(そう、お店をやらずとも、一定の人には出会えることもコロナのおかげでわかりました。)

その夢を語るみんながどれも素敵で、愛おしく、そして実現したときの、あのきらきらした目。なんどでも言います。私はこの光景をずっと見ていきたい。と願ったのです。それをみるためには、ここを「わたしの店」としてわたしの所有物にするのは、ちがうと気づいたのです。

さらにお店をやることで、ここに立っていなければならない!とかのプレッシャーを受けることもまた、ちがうんです。

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特定のあの人が企画側に回ることのサポートや伴走者であることに全力になりたいのです。だから、お店で時間を取られてしまうのは、一切辞めます。

ごーくんが料理を出したいのなら料理を。
さやかが図書館をやりたいなら図書館を。
かなえが古着を売りたいのなら古着屋を。
あのひとが、なにかをしたいのなら、それを。

そうやってココを「あの人の表現の場」としたいのです。

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わらじ荘の主役はあなたです

お昼は、ゆるっと図書館としてオープンしながら、本が読めたり、工房でなにかつくれたり、珈琲が飲めたりします。珈琲はドネーション制です。お金を払わなくてもここにいてもいいんです。勉強しててもいいし、なにかアクションしてもいいし、別に何をしなくてもいいんです。わらじ荘に来たら、主役はあなたです。わたしではありません。
あなたがやりたい事が見当たらないのなら、一緒に探したり、そのままのをあなたを認めます。
あなたがやりたい事があるのなら、一緒にやってみようよ。


その第一人者が、ごーくんです。お店を開店しちゃいました。わたしは、そんな場に住んでいるただの人です。

ここ、わらじ荘は、あなたの表現の場です。
まずは、ふらっと散歩がてら、立ち寄ってみてください。わたしは静かに、そしてわくわくしながら待っています。

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いただいたものは、全て大切なひとに、そしてまちに、使わせていただきます。