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セールスイネーブルメントは研修屋さんではなく総合格闘家

セールスイネーブルメント」という言葉を聞いたことがある方はいらっしゃいますか?
最近よく聞くようになったのではと思いますが、日本語で訳すと「営業人材育成」という言葉です。

営業人材育成と聞くとだいたいの人は「研修をやってくれる人」。
そんなイメージが強いのかなと感じます。前職でも私は営業人材育成に関わっていましたが、実際にやっていたこととしては中途入社の方向けの営業研修でした。

そういったイメージが強い中で「セールスイネーブルメント」と言われると「営業人材育成」が横文字になっただけで「研修してくれる人」と思われることが多いのかなと思うのですが、実際に私が「セールスイネーブルメント」という役割を組織で担う中で感じることは、「研修は一つの要素でしかない」ということ
でも一方で、新しくイネーブルメント組織を立ち上げる際に周囲からの期待値としてはどうしても研修ということに行き着くことが多いのではと思います。

ここでは私がヘイ株式会社でセールスイネーブルメントの立ち上げに携わり、そこでの経験から学んだ「セールスイネーブルメント」としての役割を私なりの解釈を交えてお伝えできればと思います。
イネーブルメントに興味がある人、イネーブルメント組織を立ち上げるときに少しでもお役に立てればと思います!

本題に入る前に私の自己紹介も👇

・経歴は人材営業→IT営業→SaaSイネーブルメント/営業経験は計7年ほど
・SHIFT(東証一部のIT企業)でSMB〜エンタープライズ営業まで経験。営業ほぼ未経験から、The Modelをベースとした営業モデルを実践し、予算は全達成。売上ゼロからはじまったグループを年間数億円規模に引き上げた経験あり。
・heyでセールスイネーブルメントを立ち上げ、中途オンボーディングプログラム、メンバー向けイネーブルメントプログラムなどを提供中


イネーブルメントのアプローチ全体像

まずは、私がプロジェクトを進める上でのアプローチをまとめてみました。

自分の中でポイントと思っていることは2点です。

横のつながりを意識すること
縦との整合性を取ること

横のつながりを意識すること

よくあるのが、例えば「新人研修を作って欲しい」と言われた時に
「何を作るか?」というところから考えてしまうこと。これは上の図でいうとプログラム設計に入っているのですが、いきなりそこから着手をしてしまうと、極論を言えば自分が伝えたいことを集約した研修プログラムが出来上がってしまう可能性があります。。。(私は前職で真っ先に研修資料から着手してましたw)

まず考えたいのは「なぜ研修が必要なのか?」ということ。マネージャーへのヒアリング、メンバーへのヒアリングを繰り返し、数字面の定量的な分析を行って仮説を立てていきます。そして、立てた仮説をまたぶつける。そして営業戦略をきちんと理解し、成長要件の策定も必要であれば行っていきます。プログラムの設計を始めるのはここからで、資料を作り始めるまでに私は結構な時間を使います。

縦との整合性を取ること

成長要件の定義・設計フェーズでの必要要素としてHRとの連携と書いていますが、どんな成長ステップを歩み、どんなキャリアを歩んでほしいのかを組織とイネーブルメントの意思として伝え、採用要件やメンバーのキャリア設計に反映してもらう必要があります。heyのイネーブルメントはHRとの連携も多く、これからももっと強めていきたいところ。
更に、HRとの単なる連携ではなく、HRM、マーケティング、プロダクト、そして外部環境や営業ノウハウもインプット、そして考慮をした上で、プロジェクトを推進していかなければいけません。
ここの整合性が取れていないと、先程と同じになりますが一人よがりの研修プログラムが出来上がってしまいます。
なので、イネーブルメント担当も「明日から売ってきてね」と言われても、すぐに売れるぐらいの勢いでプロダクトやユースケースについて勉強してますし、市場や競合の動きに敏感にならないといけないと思ってます。(自戒も込めてw)

実は課題のアプローチは別に存在する

イネーブルメントにはよく「研修をつくってほしい」というリクエストをもらうのですが、上のように横のつながり、縦との整合性を意識すると、実は解決策は相手が求めているものではないこともよくあります
相手が求めているアウトプットももちろん必要であれば作るのですが

  • 課題の本質は何か?

  • 何を解決すればよりパフォーマンスがあがるのか?

そんなことを考え、縦と横を行き来すると違うアプローチ方法も見えます。
それを縦との整合性を取りながら、定量的・定性的な分析をもとに示していくということもイネーブルメントのしごとの一つ。

つまり総合格闘家

仕事をやればやるほど感じるのは、イネーブルメントに求められる要素は非常に広いなあと感じます。それは根本問題は目の前の課題ではないところにあることが多いからこそなのだと思います。
なので、研修という枠を超えて、外部環境・経営戦略理解、分析力、PM力など駆使しながら、自分自身の枠を敢えて広げて問題解決にあたっていかなければいけないと思います。つまり、これだけ総合的な要素が求められるイネーブルメントは総合格闘家という話です。笑

久しぶりのnoteでつらつら書きましたが、イネーブルメント立ち上げのご相談や同じ仕事をやっている人と繋がりを持っていきたいので気軽にコメントやtwitter(@annin_0321)でコンタクトください!

最後まで見ていただきありがとうございました!


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