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シンセについて聞いてみよう その8~DAWとVSTの拡がり~

南:え、、、と。

佐々木:ん?南さんどうしましたか?

南:いや、ここまでのシンセの話をおさらいしてみようと思ったのですが、、、

佐々木:なんと、、、、!(自発的に、、、)
それで何か聞きたい事、、とか、、あったり、、しますですか!?

南:あ、いや、なんか結局シンセってなんだろう。。。て

佐々木:あぁ、、、、そうですよね、、、、
わからないですよね、、、、

南:あ、でも私が知りたい事がなんだったのかをもう一度考えてみようかな思ったのです。

佐々木:なるほど、確かにシンセの具体的な使い方というよりは歴史的な部分を見てきたからそうなりますよね。ですが、今日からは今現時点でのシンセの使われ方等々を見ていく事になりますので、
きっと、、、もっと、、、理解が、、、深まり、、、、、、ます!

南:おぉ、それは楽しみですよ!

佐々木:おぉ!(楽しみになってくれている!)

では、今日はシンセの今を見ていこうかと思います。
いま現時点で一番使われているのはソフトシンセですが、実用的になってきたのは最近で、最初はあまり音も良くなかったんですよね。

南:ちょっと不思議なのですが、音が良くないっていうのはどういう事なんですか?結構どれも同じにしか聴こえないような、、、

佐々木:そうですよね、生楽器の音の違いもまぁ難しかったりもするのですが。

僕が思うにハードシンセの場合は、オシレータやフィルターなどのアナログ回路、デジタルシンセの場合はD/A変換といってデジタルをアナログに変換する回路の良し悪しだったりもします。

しかしソフトシンセの場合どれも当てはまらない、じゃあなんで音が良くないのか?という問題が出てきますよね。

南:はい、不思議です。

佐々木:はい、僕も不思議です笑
仕組み上どう考えてもそんなに大きな違いはないはずです。
なので僕も長い事あらゆるソフトシンセの音の違いを比べたりしてました。。。。

南:それで!どういう違いなんですか?

佐々木:音は違いますが、何故なのかはわかりませんw

南:それが知りたいんですよ!!!

佐々木:ですよね。
シンセというのは色々なパーツの組み合わせなのですが、ソフトシンセの場合
まず言えるのは演算能力によって振る舞える範囲が違ってくるということだろうなと。
例えば最近のアナログモデリングシンセは、実機の振る舞いを細かく測定してそれを再現する、電源の不安定さとかかなり細かいところまで可能にはなってきましたが、実機を再現はしてはいるけど、そもそもそれが音の良さに直結している訳でもないですよね。

南:なるほどぉ、、、

佐々木:、、、は!思わずものすごい深い沼に招待してしまった、、、
いや、待て、、、
今日はもうちょっとライトなところから行きますw

南:危ないw

佐々木:という事で初期のソフトシンセはそこまで音が良くなかったのと、コンピューターの処理速度が今ほど早くなかったので、しばらくの間はハードシンセとソフトシンセ両方を使うという形だったと思います。
その時に発達したのがDAW、デジタルオーディオワークステーション、です。

南:D.A.W!!!!!!!!!!!!

佐々木:そうw
DAWの最初期まで遡ると結構昔になってしまいますが、一般的になってきた、pro toolscubaseの登場あたりから見ておけばいいかなと思います。

南:あーなんか聞いたことあります!

佐々木:はい、まずprotoolsは元々録音専用のソフトで、cubaseは元々はMIDIシーケンサーでした。なので用途も使う人も違ったのですが、だんだん一つのソフトでオーディオもMIDIも扱えるようなって行きましたそれがDAWの登場です。

南:なるほど〜、、、、でもなんで今DAWの話を始めたんですか?

佐々木:はい、そこなんですね!
シンセの進化という意味で考えた時、確かにソフトシンセは新しかった、それと便利だったんですね。同じシンセをいくつも立ち上げる事もできる。保存もできる。
それと何より急に壊れないw

南:確かに便利。。

佐々木:しかしシンセの進化という意味では、ちょっと止まるんですね。ここまであらゆるシンセサイズを発明して進化してきたのですが、ソフトウェアベースになった時、まず始めたのは過去の焼き直しだったわけです。

しかし!DAWの登場をきっかけにシンセは思わぬ方向へと舵を切り始めたのでした!

南:おぉなんだか大ごと、、、

佐々木:まず最初期に起きた変化はVSTの登場です。

南:V.S.T!!!!!!!!!

佐々木:三文字が多いですねw
最初期のソフトシンセはスタンドアローン方式だったのですが、
スタンドアローンというのを簡単に説明すると、
DAWとは別に立ち上げて、一回MIDIデータを外に出して、ソフトシンセのオーディオを取り込むという、結構めんどくさい形だったんです。
しかしVSTの登場でそこが解消されます。
cubaseを作った会社steinburgというドイツの会社がVSTという規格を作りまして、DAW内で外部のソフトシンセを立ち上げられるようになりました。これがプラグイン方式です。

南:それまでは別々だったんですね。。

佐々木:はい、そしてこのVST技術は一般に公開されまして、誰でもVST対応のソフトシンセを作る事ができるようになりました。ちょっとプログラミングが得意な人がオリジナルのソフトシンセを作って公開したり、、

南:ちょっとプログラミングができれば、、、

佐々木:はい、ちょっと、、できればw
そうした事で、cubaseのようなシーケンスソフトを使っていた人達がどんどんソフトシンセを使い始めました。おかげで誰でもパソコン一台で音楽制作を完結できるようにどんどんなっていったわけです。

そしてさらに大きな変化として、VSTのような技術のおかげでサードパーティの小さな会社などがどんどんシンセ開発に参入できるようになりました。

今まではICチップの開発、ハードウェアの大量生産などのリスクが大きかったシンセ業界でプログラムだけ作って売る、、という会社が生まれてくるんですね。僕らも毎日お世話になっているNative instrumentsという会社も最初はとても小さな会社でした。

南:なるほど、、、ITで世界に、、、

佐々木:はい、ただ相変わらず日本はアイテー、、、でしたが。
こうやってソフトシンセの開発は一気に広まり今に至っています。もう数え切れないくらいのシンセが次々と生まれてきました。

南:もうどれがなんだか、、、

佐々木:そうなんです、、そしてさらに、今まで手が出せなかった昔の高級なシンセのモデリングや、マニアックなシンセのシンセサイズ方式が急に一般のユーザーの前に現れることになるのです。FMシンセやウェーブテーブルのようなかなり使いにくいシンセが急に簡単に手に入るようになった、、、ということですね。
昔から使ってきた人にとっては歓喜だったと思うのですが、普通の一般的な人にいきなりFMがなんちゃらと言ってもさっぱり、、みたいな状況です。

南:あー私ですねw

佐々木:そうなんです。しかし使う人が増えれば、それを使って新たな音楽が生み出されるもので、ソフトシンセが数千円で買えちゃうようになったからこそ、現代のエレクトロニカと言われる音楽が当たり前に存在できるようになったとも言えます。そして新しい才能が次々と生まれてくるわけですね。

南:なーるほど!そしてソフトシンセの大きな波が生み出したのが現代の音楽なのですね!

佐々木:そう!それ僕が言いたかったことです!!!w
それと同時になんだかシンセってわからないわっ、て人のためにプリセットを販売するという、プリセット時代がさらに進んだりもします。何の知識もなくても急にすごい音色が手に入るわけですね。

さらにさらにコンピュータのメモリが増えたことで、プレイバックサンプラーも本領発揮していきます。
今まで、このシンセでバイオリンを何本重ねて、、、とかやっていたのが、オーケストラを丸々サンプリングした音源集が売られ始め、コンピューターの中だけでフルオーケストラを再現できるようにもなりました。クラシックの作曲家や、映画音楽の作曲家もソフトシンセを導入して、今はまずそこでプリプロと言う、仮のオケ制作を作ることはあたりまえになっています。
予算のない映画だったらそのままソフトシンセのオケで完成していることもあると思います。
そしてゲーム音楽の世界もソフトシンセだけ完成させるのがほとんどです。
そもそもゲーム自体が箱の中の世界だったので、なんの問題もなかったんでしょうねw

南:ドドド、、、という変化が起きたということですね。。。。

佐々木:そうですね〜その変化のスピードはそれまで音楽業界になかったくらい速かったんだと思います。
特にシンセの世界では、難しい音源方式や高級なシンセ、今まで不可能だったオーケストラの再現が、一般の庶民、プロではない人にまで広がって行ったのは、今までにないことでした。

最近の音楽業界は、今までの閉鎖的な音楽業界とは別の庶民的なところから変化してますよね。
要するに敷居が低くなったんですね。

僕の時代は音楽を始めたかったら、まずギターを買ってバンドを組むことでしたし、その前は誰かに師事したり専門教育を受けてそれから、という感じだったのが、
今では音楽を始めるならまずmacを買おうってところから、、
いや今や、スマホは持っているからこれでやってみよう、、という感じで音楽制作が始められます。
自分の部屋でも外でも、誰でもちゃんとした音楽を作れるようになった。
これは僕が子供の頃に憧れていた夢だったんですが、本当に実現しちゃいましたねw

南:夢が叶った少年、佐々木君。

佐々木:結構なおじさんになってしまいましたがw
という事で現代のシンセがどのような事になっているかの触りだけで結構な説明になってしまいましたが、、

南:これが触り!!!

佐々木:はい〜そうなんですよ。進化も早いんでたくさん知っておくべき事はありますが、次回はDAWとシンセの融合と言う話をしていこうかなと思いますよ。

南:ひゃ〜えらいこっちゃ!




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