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並ぶ灯りに

都市の幻影。
とはいえそれは字義としての「幻」ではなく、確かな「現実」が何かを呼び起こす、あるいは感情に溶け込んでいって生まれるもの。
知っているはずの風景、見たことある風景がいつの間にかどこか遠い世界の非現実めいた情景になっていく。
例えば裏通りに並ぶ灯り、それが記憶の奥で揺れる焔と呼応する。あれは夢の中の暗い通り道だろうか、旅先でふと立ち寄った路地の先に合った店の灯りだろうか。
都市の複雑系は誰もが同じように見えているわけではない。複雑だからこそ様々な要素が絡み合い、それは時に経験や思考をも巻き込んで重層的な風景となっていく。

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