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マッキーカキカキ『童心』【お題文学企画「その日の天使」】

マッキーカキカキ『童心』

https://mobile.twitter.com/MAKIkakimono/status/1423609603070169089

山口静花 評

小説の形をしていながら、中身は詩的であり、自己暗示をかけているようにも取れる文章でした。
僕にとって、あの子は「その日の天使」、どころか、「永遠の天使」であるような気がします。
「あの子」と、少し突き放したような呼称は、終盤、「この子」という呼び名に変わります。
より近しく、その人物を捉えているような印象を受けますね。
特にこの掌編で印象に残ったのは、「叱られる事を愛情と呼び、愛情を花として着飾る。」という文章です。
この一文が特に冴えているなあ、と思ったのは、前後の文章にも対比が効いていたから、かもしれません。
叱られることが愛情であるとする、どこか偏っているようにも感じられるこの思想は、幼少期、ひいては児童期の学校生活を彷彿とさせます。タイトルに「童心」とあるように子供をテーマにした掌編であることは間違いなさそうです。
とても興味深く、二重、三重に深く世界観を捉えていける作品に仕上がっていると思います。
この度は読ませていただきましてありがとうございました。

企画概要

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