元カノがメンブレしてるらしくマネージャーにスカウトされました 10
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カノマネ10話
今日は久しぶりにメンバーに会える日
それだけで少し体が軽くなった気がする。
メンバー全員での仕事ってことは、○○も居るはずだよね
ちゃんと上手くやれてるのかな
人見知りなところがあるから苦戦してるかも
そしたら、私が救ってあげるしかない。
ほんと仕方ないな○○は、
昔から私が居ないとダメなんだから
美月ちゃんの超パワーでメンバーから慕われるような存在にしてあげよう
なんて妄想をしながら楽屋の扉を開くと─────
目の前には信じられない光景が広がっていた。
彩:○○く〜ん!!ここ教えてよっ!
咲月:わ、私はこの問題教えてください!
○○:彩ちゃん。それ昨日も教えたでしょ。
○○:菅原さんは高校3年生なんですからテキトーな問題質問しないでください。
茉央:茉央もなんか質問してみよかな
和:私もこんど分かんないとこあったら、聞いちゃおっーと
〇〇:えっと。皆さん落ち着いてください……
〇〇を中心に5期生が群がっている。
は?どうしてこうなってるの???
人懐っこいあーやはともかく、遠慮がちで人に心を開くのに時間がかかる咲月まで懐いてるし。
それに他の子達も……
まだマネージャーはじめてからちょっとしか経ってないでしょ
ああ、でもそっか。〇〇は塾講師してたらしいし歳下の扱いには慣れてるってことか
”美月ちゃんが颯爽と登場してサポートしてあげる作戦”を計画してたのに。
でも、流石に5期生以外とはまだ距離が詰められてないよね?
真佑:こら~!みんな〇〇君を困らせないの!
真佑:お勉強なら私たち先輩に聞いたらいいでしょ!
真佑:ほら、咲月どれが分かんないの?真佑ちゃんに聞いてみて?
咲月:こ、これです……。
真佑:う~ん。
真佑:これはね、”夏目漱石”だよ!
〇〇:田村さんそれ数学の問題ですよ
『「ぷっ。」』
真佑:あっ、ちょっと!5期生ちゃんたち今すっごいバカにしたでしょ!!
奈央:し、してないですよ
真佑:半笑いじゃん!
美空:だ、だって真佑さんが変なこと言うから笑
あ、あれ?
真佑まで〇〇に懐いてない?
それに楽屋も前より雰囲気が和やかなような
まさか〇〇のお陰?
信じられない。
こんな短期間で馴染んでるなんて……
・・・
久保:ど、どうしたの山…?
美月:〇〇の癖に生意気。〇〇の癖に生意気。
久保:山……?
美月:……はっ。
美月:なんだ久保か
楽屋の扉を開けたままフリーズしていた私を不思議そうに見つめている久保
久保:久しぶりだね。ドラマの撮影お疲れ様
美月:う、うん。ありがと。
久保:で、どうかしたの?そんな鋭い視線でどこか睨みつけて
美月:べ、別に睨んでないよ?
久保:あ〜。新しいマネージャーさん?
美月:ち、ちがうし。
久保:見てる方向的に絶対そうじゃん笑
久保:美月ほぼ被ってないもんね仕事
美月:そ、そうだね
久保:警戒しなくても大丈夫そうだよ?5期生の中では評判いいらしいし
美月:ふ~ん。
久保:優しそうな人だし、私も今度話しかけてみようかな
美月:いいんじゃない?
久保:それよりさ、そんなところに立ってないで早く皆のところ行こ?みんな待ってたよ山の事
美月:そ、そうだね。ありがと。
久保のお陰もあってなんとか現実に帰ってこれた私。今、〇〇の事ばかり考えても仕方ない
一旦同期のところにでも行って、
久しぶりの再開の喜びでも分かち合おっと。
美月:……あ。
ねぇ、〇〇。今絶対目合ったよね
なのに、すぐ逸らしたやがった。
は?なに?
久しぶりなんだし”お疲れ様”ぐらい言いに来なよ。
これには、温厚な美月ちゃんも
流石にぷっつーん来たんだからね
久保:あ、あれ?山どうかしたの?
美月:ごめんごめん。秋元先生に頼まれたことあるんだ。後で行くから先戻ってて?
久保:そうなんだ。じゃあ、また後でね?
久保が3期の所へ戻って行ったのを確認すると
大罪人〇〇の所に詰め寄っていく。
美月:〇〇さ~ん。ちょっといいかな?手伝って欲しいことがあって。
〇〇:えーっと今ですか……?
美月:うん。今。今すぐ。
〇〇:あっ、はい。わかりました。
少しというか、かなり怯えた表情の〇〇。
さぁ、浮気者な〇〇にはちゃんと分からせてあげないとねっ。
だれの事を最優先にしないといけないのかを
~つづく~
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