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自力でできる・インド人との国際結婚手続き #07

ハローナマステどうもインド人嫁です。

インド人との国際結婚手続きについて、引き続きまとめていきます。まだ過去の記事を読んでいない方は 01 から順に読むことをおすすめします。
自力でできる・インド人との国際結婚手続き #01

※記事の無断転載や一部抜粋しての記事作成などはご遠慮ください。

このnoteは過去に私がアメブロで作成したブログをもとに、再編集をして分かりやすくしたものです。一部表現を変えたり、最新情報を追記した箇所はありますが、手続きの流れ全体はほとんど同じです。

前提

ここに記載することは、あくまでも自分たちの経験に基づいてまとめています。インドの州によって証明書など書類の形式も変わりますし、日本のどこの自治体に提出するかによって内容も違います。そして情報は更新されていきますので、これから変更点が出てくるかもしれません。全部が同じとは限りませんのでご注意くださいね。

インドの婚姻手続きの流れ

それでは早速、前回からの続きをお話します。

日本側の婚姻手続きが完了したら、次はインド側の婚姻手続きが必要です。両国ともに手続きをして、正式に婚姻が成立します。ちなみに、日本もインドも法律で重婚は禁止されている国です。中東などの国では一夫多妻制が許可されている国もありますが、日本とインドは一夫一妻制です。

まずは、インドの婚姻手続きの流れを説明します。自力でできる・インド人との国際結婚手続き #01 に書いた流れと同じです。今回は一気に下記全てを説明します。長文になると思いますが、私たちの経験を踏まえて参考になりそうなポイントをまとめます。

インドの婚姻手続き1. 情報収集
インド大使館(領事館)にて婚姻に必要な書類を確認する

2. 書類の入手
日本の区役所から戸籍抄本と婚姻受理証明書を取り寄せる、またインド大使館のウェブサイトからは婚姻に必要な書類をダウンロードする

3. 翻訳作業
戸籍抄本と受理証明書を日本語から英語へ翻訳する

4. 外務省での認証
インド大使館に提出する前に、戸籍抄本と受理証明書は外務省での認証が必要

5. インド人のパスポート更新
インド人のパスポート更新が必要、配偶者の名前が新パスポートに追記される ※インド大使館のウェブサイトには記載がないが、必ず必要とのこと

6. 書類一式をインド大使館へ提出
用意した書類一式(外務省にて認証された書類を含む)をインド大使館へ提出する

7. 夫婦二人の写真・書類掲示
インド大使館に1ヶ月間、夫婦二人の顔写真が貼り出されるらしい(この間1ヶ月誰も結婚に異議を唱えることがなければ正式に受理される)→私たちは実際には貼り出されていなかったようで…真偽は不明

8. 証人とともにインド大使館にて結婚登録する
インド大使館へ証人3人とともに行き、結婚登録をして、婚姻手続きは完了

流れを読むと時間がかかりそうな印象を受けると思いますが、私たちは大体2ヶ月くらいで完了できました。おそらく最短でスムーズに手続きできれば2ヶ月かからない人もいるかと思います。逆に、地域や人によっては3ヶ月以上かかるケースもあるかもしれません。

インド大使館に提出が必要な書類一式

A. Schedule Ⅱ reg. Notice of intended Marriage
B. Schedule Ⅲ reg. Declaration to be made by the Bride and Bridegroom
C. Marriage Registration Form
a. 新郎新婦のパスポートコピー全ページ
b. 証人3人のパスポートコピー全ページ
c. 戸籍抄本と受理証明書、それぞれの英訳
d. 在留カード
e. もしも離婚歴がある人は離婚の証明書を提出しなければならない

A・B・Cの書類は、インド大使館ウェブサイトからダウンロード可能です。Marriage Registrationという欄にあるPDFを開くとダウンロードでき、婚姻に必要な書類が書かれています。(画像参照)

2021.6.22追記:インド大使館のウェブサイトがリニューアルしたようでリンクが飛べなくなっていたため、貼り直しました。一部まだリンクが外れている箇所がありますが、随時修正をしております。

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A. Notice of intended Marriageには左下に夫婦二人が写っている写真を貼る箇所(Joint Photo)があります。私たちはインドの結婚式の写真を貼りました。
c. 戸籍抄本と受理証明書は日本の区役所にて発行してもらうことができ、自分たちで英訳しました。
また、インド大使館のウェブサイトに記載がありますが、結婚に際して下記の料金が必要です。結構高くて驚きました!

結婚登録・パスポート更新等の手数料

※パスポート更新については下にまとめて書いてます。

証人3人について

結婚登録には証人3人が必要ですが、証人は必ず1人はインド人でなければなりません。私たちの場合は、日本人妻はづきの両親2人とインド人夫アンキットの母親1人が証人でした。例えば、証人3人が全員インド人でもOKだそうです。しかし、逆に証人3人が全員日本人の場合はNG、結婚登録はできません。これもインド大使館のウェブサイトなどには詳しく載っていない情報ですが、必ず確認してください。

重要! 外務省での認証

インド大使館に提出する前に、戸籍抄本と受理証明書は外務省での認証が必要です。私たちの場合は夫が外務省での認証作業をやってくれたので、その時の話を聞いてまとめました。(ちなみにインド大使館のウェブサイトには戸籍抄本を提出と書かれていますが、私たちはより詳しい戸籍謄本とその英訳を提出しました。)

外務省のウェブサイトに詳細が載っているので、こちらを参照してください。
霞ヶ関にある外務省に行き、窓口で Application form for an apostille (アポスティーユ申請書)を書いて提出すると、戸籍抄本と受理証明書にアポスティーユのスタンプが押されて返却されます。(夫は無料でできたそうです) これで認証は完了です。
外務省のウェブサイトにも記載がありますが、もしも直接窓口に行けない方は、代理人での申請または郵送での申請もできます。(夫は郵送だと郵送代とは別に600円かかると話していましたが、外務省のウェブサイトには何も書いてませんでした。)→現在は窓口での申請はできず、郵送のみの対応となっているようです。外務省のウェブサイトにて詳細を確認してください。

訳文の認証について

私と同じくインド人との結婚の手続きをされている日本人の方から質問をいただきました。よくある質問に対する回答を以下にまとめました。

Q. 外務省に提出する、戸籍抄本と受理証明書なのですが、訳文は私文書として公証役場で認証してもらってから、外務省に持って行きましたか?ウェブサイトの説明を読んだのですが、訳文が私文書になるのかわかりません。

A. 私たちは自分たちで翻訳したものをそのまま外務省に提出しました。(翻訳者の名前は妻はづきにしています)

そして、この方が自分で確認した内容をシェアしてくれました。外務省に確認したところ、国によって公証役場や外務省でも認証が必要なところもあるようです。またインド大使館へ確認したところ、公証役場の認証はあった方がいい…と言う返答で必ずしも必要というわけではないようでした。訳文は国によって、認証がいらない国、公証役場の認証だけ必要な国、一番厳しいところで公証役場プラス外務省の認証が必要らしいです。

心配な方は外務省や大使館に問い合わせてみるといいかもしれません。おそらく上記のような返事が返ってくると思います。


Q. 公証人を経由してなくても特別に外務省が戸籍謄本の原本と翻訳別々に1枚づつアポスティーユを付けてくれるのでしょうか?

A. アポスティーユは夫が手続きしてくれたので確認しましたが、英訳にもアポスティーユがされるようです。というのも、日本の役所から発行された戸籍謄本の原本は、外務省も間違いないと信じているのでわざわざアポスティーユをつける必要はないから。原本から英訳する時に間違えていないかを確認して、英訳に載せられている情報に間違いがなければアポスティーユをつけてもらえます。また、原本と英訳には割印のような形でスタンプをされるので、最終的には原本と英訳どちらにもスタンプが押される状態になります。

補足:他の日印夫婦(日本在住)の方から聞いた話だと「インドの婚姻手続きで外務省に戸籍謄本と婚姻受理証明書にアポスティーユ申請しました。英訳付きで。そうしたら外務省から、英訳にはアポスティーユつけられないので役所から発行された書類だけアポスティーユつけて返送しますねって連絡がきました。もしかしたら担当する人によって変わるかもしれませんが…」とのことでした。なので、もしかしたら時期や人によっては私たちとは違うことを言われる可能性もあります。

重要! インド人のパスポート更新手続き

インド大使館での結婚登録時には、必ずインド人のパスポート更新が必要だと言われました。インド大使館のウェブサイトなどには記載がなく、夫が大使館に行って初めて窓口で言われたと怒っていました!

インドのパスポートは、日本のパスポートと違い、結婚すると配偶者の名前がパスポートに書かれます。たとえパスポートの期限まで何年もあったとしても、結婚登録時には必ず更新が必要だそうです。ちなみに、インド大使館のウェブサイトにはパスポート更新手続きの所要時間は4~6週間かかると書いていますが、夫は約3週間でできました。時期や人によっても期間は変わると思いますが、参考までに。
パスポート更新手続きの方法は、インド大使館のウェブサイトを参照してください。まずはオンライン申し込みをして、申込書をプリントアウトして自分で書き込み、インド大使館に提出します。

新パスポートに配偶者の名前が追加されてから結婚登録が可能になります。私たちはパスポート更新手続き書類と、婚姻手続き書類を同じタイミングでインド大使館へ提出しました。

※2020年11月30日現在、インド大使館ではパスポート業務を含む業務の来館受付が一時休止されており、オンラインでの申請となっているようです。詳しくはインド大使館ウェブサイトのお知らせをご確認ください。

在日インド大使館における領事サービス ( パスポート業務を含む ) の来館受付 一時休止のお知らせ

夫婦二人の写真・書類がインド大使館に掲示される?

結婚登録時にはインド大使館に1ヶ月間、夫婦二人の顔写真が貼り出されるらしいと私は聞いていました。どうやら、インド本国でインド人同士が結婚する際にも同様に掲示されるらしいです。そして、この間1ヶ月誰も結婚に異議を唱えることがなければ正式に受理されるとのこと。もし誰かが結婚に異議を申し立てたら、自分たちは結婚ができないかもしれないというのはドキドキしますよね?日本人からすると不思議というか、ちょっと怖い制度です。

実際、私たちが婚姻手続きのためにインド大使館に行ったときに、カップルと思われる男女二人(インド人男性と日本人女性)の顔写真が貼られた紙が、掲示板に貼られていました。インド大使館のビザ取得の窓口のすぐ近くの掲示板に貼られていたので、誰でも目にすることができるしビザを取るまでの暇な時間はきっと皆これに目を通していたと思います。これを見て、やっぱり私たちも掲示されるんだろうなぁと覚悟していました。書類を読むと、男女二人の氏名や住所だけでなく両親の氏名など、かなり詳細に個人情報が書かれているので、これを読んで悪用されないかとゾッとしていました。(インドでは個人情報保護という考えは浸透していないのかもしれません。私はあまり深く考えないようにはしてましたが…)

しかし、蓋を開けてみるとどうやら私たちの顔写真や詳細を書いた紙は掲示されなかったみたいです。二人で「掲示される紙を見てみたいね〜」と話していましたが、夫がパスポート更新手続きのために大使館に行ったときに掲示板を見たけれど、自分たちのは貼られてなかったよと言ってました。覚悟してたのに…でも人目に晒されずよかった!

前に見たカップルの書類は、私たちが大使館へ結婚登録に行った最後の日にも貼られていました。日付を見ると1年以上も前のもの。途中で破談になってしまったのかな…?と複雑な気分でした。

日印で国際結婚をされたカップルの皆さんはどうでしたか?貼り出されましたか?もし経験のある方は教えてください。

インド大使館での結婚登録当日

書類一式をインド大使館へ提出してから、私たちの場合は約1ヶ月ほど待ちました。そして大使館から結婚登録の電話がきたら、3人の証人を連れて大使館に行く日取りを決めます。私たちの場合は、ちょうど夫アンキットの母親が来日する予定だったので、一緒に結婚登録に行ってもらうことができてよかったです。また、妻はづきの両親は愛知から東京まで来てもらう予定だったので、両親の予定も聞いて日取りを決めました。みんな遠いところから来てくれて、本当に感謝です。

結婚登録当日は、東京・九段下にあるインド大使館へみんなで行きました。夫婦2人のパスポートと、証人3人全員のパスポート持参が必須です。忘れないように両親に何度も持ち物を確認しました!大使館に着いて、時間になると担当の方(書類提出の際に窓口にいらっしゃった日本人女性でした)が、大使館職員しか入ることのできない奥の部屋へと案内してくれました。ちょっとワクワク…!

部屋に通されると、そこはMarriage Officerの執務室でした。あとでアンキットに聞いたのですが、Marriage Officerはインドの州に必ず1人在籍していて、結婚を取り仕切る(承認する)役割をしているそうです。日本にいるMarriage Officerはただ1人で、この人が日本国内でのインド人の婚姻を承認しているとのこと。私たちがお会いしたMarriage Officerは優しそうな男性で、部屋に入ってくるとデスクの椅子に座り、アンキットの母親に「おめでとうございます」とヒンディー語で挨拶してくれました。

そして、結婚登録に必要な書類に全てサインをしました。婚姻証明書と、婚姻帳簿(大使館で保管されているもの)の欄に、全員それぞれが自分の名前をサインしました。ちなみに、婚姻帳簿(正式名称は何か分かりません笑)には、自分たち以外に結婚登録をしたと思われる男女のサインがずらっと並んでいました。氏名や住所も書かれているので、日本人がいるとすぐ分かります。私たちの上の欄のカップルも日本人女性とインド人男性のようでした。結婚登録日を見ると、月に2〜3組ほどは登録をしているようです。やはり、インド的には個人情報保護の観点はあまりないみたいですが…失礼ながら少し読んでしまいました。

あと、遠方に住んでいる方は結婚登録をどうしているのだろう?と考えてみたりもしましたが…たぶん他の場所ではやっていない(神戸の領事館ではできるのかな?詳しくは知りません)と思うので、遠方からインド大使館まで来ている方も多いと思います。遠方の方はどのようにされてますか?もしご存知の方がいたら教えてください。

ということで、全てのサインを終えたらMarriage Officerと握手をして、ありがとうございますと挨拶。これにて終了でした。所要時間は約15〜20分程度で、短時間で終わりました。担当の方に案内されて、もと来た道を歩き外に出ました。厳重な警備もされており大使館内は撮影禁止ですが、大使館の外壁にはインドの風景や人物の写真があるのでフォトジェニック?な撮影スポットです。せっかく来たので、記念に家族全員で写真を撮って帰りました!

結婚登録が終わって、はづきの母親は「無事に結婚ができてよかった〜!安心したよ。すごく良い思い出になったね」と言ってくれました。お母さんありがとう。夏の暑い日の家族の思い出になりました。これで正式な夫婦になることができ、やっとホッとしたというのが本音です。ここまで来るのに長い道のりでしたが、国際結婚はこういう事を乗り越えて、家族の絆が深まっていくのかなと思います。自分たちだけではここまで来ることはできなかったと思うし、本当にインドの家族、日本の家族みんなに感謝しています。

最後に

これで、インド人との婚姻手続きは終わりです!もし分からないことや質問があれば気軽にメッセージください。私たちのGmailアドレスものせておきますので、こちらに連絡くださっても大丈夫です。私たちが分かる範囲でお答えします。

▶ ankitandhazuki@gmail.com

追記1:ここ1~2年ほど、私たちのブログや記事を読んで、婚姻手続きを無事に完了することができました!という感謝のメッセージを何十通も頂いており、本当にうれしく感じています。中には遠方から結婚登録のために東京のインド大使館まで来ていた方々の話も聞くことができました。皆さん交通費や宿泊費をかけて東京まで来ていて、本当に苦労をされています。私が何度か開催した日印カップルオフ会やオンライントーク会でもよく話題になりますが、日印の結婚手続きは分かりにくくて大変なことが多く、時間もかかりますので、ここまで手続きを進められた方は自分に誇りを持っていいと思います。最後まで本当にお疲れ様でした!

追記2:2019年9月にアップしたアメブロには最後に夫の配偶者ビザ(spouse visa)取得予定の話を書いていました。実はこの後、無事に取得することができました。(夫は会社員として外資系企業に勤めており、私と出会う前から就労ビザで日本の在留資格を取得しています。これを配偶者ビザに切り替えました。もしインドからパートナーを日本に呼び寄せて配偶者ビザを取得したいと考えている場合は、私たちの手続き方法とは違いますのでご注意ください。より複雑な手続きだと思われますので専門の弁護士などに相談したほうが良いと思います。)配偶者ビザの取得についても自分たちで情報収集して手続きも全て自分たちで行うことができました。当初は配偶者ビザの取得方法についても記事にまとめようかと考えていましたが、実際にやってみて(今は初回だけでなく1回更新手続きも完了しています)そんなに難しい手続きではないので、情報収集すればほとんどの方は手続き方法について知ることができると思います。需要があれば記事にまとめようかとは考えていますが、今のところ予定はありません。実は最近、名字変更の手続きも完了しましたがこれも記事に書くかどうか迷い中です。同じようなケースの方がいれば書いてもいいかなと思いますが。知りたい方は多いのかは謎です。また、今後は妻はづきのOCI手続きや出産後の出生手続きなどもトライする予定ですが、まだ未定のことばかりですので現在は情報収集中です。国際結婚は結婚手続きが終わっても、その後にいろいろと手続きがあります。私たちは手続きマスターかというくらい、毎回自分たちで情報収集して手続きをやってきていますので、経験も増えて自信がついてきました。こうやってレベルアップしていくのかなと思います。

今後も、noteには手続き関連をまとめていく予定なので、興味のある方はフォローやコメント頂ければその都度必要な情報をまとめて記事を作成していきたいと思います。

それではまた、See you〜!

このnoteが参考になりますように。 記事のご意見やご感想などがあればぜひ教えてくださいね。