見出し画像

『人質 韓国トップスター誘拐事件』試写会行ってきました!

みなさんこんにちは! 楽しいインド案内人アンジャリです。

いつもイン度イン度高めの私ですが、この度、映画『バーフバリ 伝説誕生』『バーフバリ 王の凱旋』配給の株式会社ツインさんが9月に公開予定の韓国映画『人質 韓国トップスター誘拐事件』を鑑賞してまいりました!(お声をかけていただき感謝致します!)

以下重要なネタバレはありませんがイン度が高めでレビューといえるのかは自信がありません。

誘拐! 脱出! という定番モノ 

誘拐・脱出モノはこれまでにも多くの作品が作られてきて映画史の中でも出尽くした感がある、いわば定番中の定番でもあり、そんな題材をどのように目新しい作品にするのか? というのが私がもっとも興味を惹かれた点でした(エラソーですみません)。

インド映画の誘拐モノで思い出すのは、同じツインさん配給『ガリーボーイ』でヒロインを務めたアーリヤー・バット主演『Highway』(2014)。自分を誘拐した犯人を慕うようになるストックホルム症候群的な状況や、その背景にあった富裕層の少女の闇を描いた衝撃作でした。

※『ガリーボーイ』はAmazon Prime、『Highway』はNetflixを英語設定にすると観られます……と書いていて『Highway』の配信が2022年7月末までと気づいたので、観たい人は急げ!

明るくも楽しくもなく地味な作品なのですが逃走のロードムービーとして風景が美しいのと、心理ドラマとしてとても興味深かったです

脱出モノだと、『エアリフト 〜緊急空輸〜』(2016)『パッドマン 5億人の女性を救った男』(2018/ソニー・ピクチャーズ・エンターテインメント配給)のアクシャイ・クマールが1990年の湾岸戦争時に、クウェートから17万人ものインド人を避難させようとした大脱出モノ(実話に基づく!)とか。

※こちらは今のところ配信で観られる方法はないようです。残念!

17万人のインド人同胞をイラク占領下のクウェートから脱出させるという実話映画化ストーリー。めっちゃおすすめなので観られる機会があったらぜひ! 

人気俳優が本人役で出演!

本作は主演俳優が本人役で出演するという驚きの設定だそうです。おお、新しい!(たぶん)

ところが大変恐縮ながら私アンジャリ、韓国は映画もドラマもあまり観たことがありませんで、俳優さんもほとんど存じません。よってその方面からのレビューが書けません。ごめんなさい。

代わりにといってはナンですが、この作品をインド映画界の俳優で制作するとどんな配役になるのかななどと、全国的にとてもニッチな層にしか伝わらなさそうな妄想をしてみました。

韓国トップスター:ファン・ジョンミン

アラフィフで、田舎出身で赤ら顔でイケメン枠ではなく(と作中で言われているけどかっこよかったです!)、鍛え上げたマッスル派でもなく(でも高身長かっこよかったっす!)、舞台出身の俳優さん。

インド映画枠でいうと……。

ナワーズッディーン・シッディーキー(Nawazuddin Siddiqui)、通称ナワちゃん?

Times of India(23 Nov 2021付の記事) より

ナワちゃんもインド人が「田舎」と言われて真っ先に思い浮かべるであろうウッタル・プラデーシュ州の出身。舞台俳優からスタートし、また映画界に活動の場を移してからは、主演級俳優は「色白」が長年の暗黙の了解という慣習があるなか、褐色の肌で苦労しながらも長い下積みを経てブレイク。

超美形の生まれながらのスター俳優という立ち位置ではないあたりが、似ているのかなぁと思いましたです。

誘拐の主犯格:キム・ジェボム

冷徹なサイコパスの主犯格。極悪非道すぎて最初から最後までめっちゃ怖かったです。

インド映画枠でいうと……。

マノージ・バージパイ(Manoj Bajpayee)?

The Economic Times(22 Mar 2022付の記事)より

この人いい奴役もやっているのですけども、頭のネジがぶっ飛んだ悪い奴役の印象がそれを上回るんですよね。だいたいいつも怖い。感情のない目つきの空恐ろしさが似ているように思いました。はい。

誘拐犯グループのNo.2:リュ・ギョンス

冷徹さは主犯格に勝るとも劣らないが、ちょっと衝動的だったり、恋人への情はあったりとNo.1になれない脇の甘さと拗らせかた。

インド映画枠でいうと……?

ケイ・ケイ・メノン(Kay Kay Menon)?

Cinema Express(24 Jan 2018付の記事)より

この人は、「めっちゃ嫌なやつ」を演じさせたら超一級の俳優さん。嫌味で、威張ってるけど小物感溢れ、イケメンなのにやさぐれたチンピラ役が似合いすぎる(好きです)。

よくキレている、そのキレっぷりが似ているような気がいたしました。

……と、帰り道ずっと、馴染みのない韓国俳優さんたちをいちいちインド俳優に置き換えていたわけですが、キリがないのでこのへんで(笑)

二転三転ずっとハラハラ

本作の感想を手短に申し上げますと。

ずっと怖い。ずっとハラハラ。

捕まるシーンからまず怖いし、捕まってからも怖いし、誘拐犯グループは全員血も涙もなさそうで、どう考えても逃げられそうにない。

そんな出発点から、少しずつ生じる綻びを利用して、逃げられるかも……? ん? いや? そう来るの〜! やーん怖いよー!

ピシッとキメた大スターが、どんどんボロボロになっていきます。なんでそこでそんな邪魔が入るの? というもどかしさも満点。

余計な設定は一切ないので、あまり深く考えず脱出劇を楽しめます。かといって単純なわけではなくて、最後の最後までずっと怖くて気が抜けない徹底ぶり。

そうだ、ファン・ジョンミンさんのファンなら「あ!」と気づく仕掛けがあったことに、いただいた資料を後から眺めていて気づきました。

現代日本人の名前はわりとバラエティがあるけど、韓国の人もそうなのかなとか、一方インドの一般人の名前ってわりと保守的で固定しているというか、同姓同名が多くて、それは映画の登場人物でもそうなので、本作のようなネタは使えないかもなと思ったり。

お約束の肉弾戦は、これがインド映画だったら俳優の目力と毛量の多さで画面のこちらまで濃ゆくくどくどしく熱気が伝わってきそうなところ、そこは韓国の俳優さん、すっきり澄み渡ったいいお出汁のようなぶつかり具合でした(たぶん伝わらない)。

なぜ私は韓国映画を見ながらインド成分を混ぜずにはいられないのか。でもインド映画もそうですが、本作も「韓国映画」という括りよりも、誘拐脱出劇ジャンルとしてめっちゃ面白かったです。

というわけで、韓国映画ファンの皆さまもどうぞインド映画の世界にお越し下さい。ロケ地巡りツアーはアンジャリツアーで。

あれ? レビューに……やっぱり、なってない。

9/9(金) シネマート新宿、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国ロードショー

韓国中が騒然! “トップスター誘拐事件”が発生。 ファン・ジョンミンさん!あなたは一体、いまどこに!!

『哭声/コクソン』、『アシュラ』など出演作ごとに全く違う顔を見せ、強烈なインパクトを残してきた俳優ファン・ジョンミン。韓国では、主演作 の累計観客動員が1億人を超える “1億俳優”と呼ばれ、『ベイビー・ブローカー』のソン・ガンホなどと並ぶトップスターだ。本作は自らが“ファン・ジョンミン”を演じるというセンセーショナルな設定で話題を呼び、2021年の公開時には韓国中で話題騒然となった本作、『人質 韓 国トップスター誘拐事件』がついに日本上陸!

国民的大スターのファン・ジョンミンが、ある夜、人けのない路地で何者かに誘拐された。大スターの誘拐にも関わらず、証拠も目撃情報もない。警察や関係者が懸命に行方を探す中、ファン・ジョンミンは唯一の武器である卓越した演技力で犯人たちと対峙する!果たして彼 は生還できるのか!?

本作は、耳を疑うようなサプライズの設定が施されている。主演ファン・ジョンミンにして、主人公ファン・ジョンミン。韓国映画界を牽引する大物俳優が、誘拐事件の人質となるトップスターを実名で演じた前代未聞の“リアル”サスペンス・アクション。まさに 映画そのものが、SNS時代の世間を騒がす“緊急重大ニュース”なのだ! ファン・ジョンミン役をファン・ジョンミン本人が演じるほか、「イカゲ ーム」のイ・ユミ、「梨泰院クラス」のリュ・ギョンスなど若手最注目俳優の共演も見どころ。

まさしくファン・ジョンミンのキャリア“集大成”というべき入魂の一作を見逃すな!

公式資料より

【STORY】
唯一の武器、それは“演技力”―。犯人を騙さなければ、死! 命がけの脱出劇がいま始まる!! 記者会見からの帰宅途中、ファン・ジョンミンが突然拉致された。パイプ椅子に縛りつけられた状態で意識を取り戻したジョンミンは、自分が大金目当で誘拐された ことを知る。しかもゲームを楽しむように彼を誘拐した若者たちは、ソウルを震撼させている猟奇殺人事件を起こした凶悪集団だった。

【クレジット】
監督:ピル・カムソン
出演:ファン・ジョンミン『ただ悪より救いたまえ』 イ・ユミ「イカゲーム」 リュ・ギョンス「梨泰院クラス」 2021年/韓国/韓国語/94分/シネスコ/5.1ch/原題:인질/字幕翻訳:根本理恵/提供:ツイン、Hulu/配給:ツイン/G
© 2021 NEXT ENTERTAINMENT WORLD & FILMMAKERS R&K & SEM COMPANY. All Rights Reserved. HITOZITI-MOVIE.COM


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?