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小惑星『ペイン化粧品』にて

ある作家が人間種は滅んだ方が良いと何度目かの確信を得たのは7時のことだった。 作家が小惑星「ペイン化粧品」に移住してから半年近く経過した矢先、フラッシュバックした記憶が作家を苛み始めた。 このようなことは移住してから稀に起き、その度に作家は煩わされた。 しかし、元いた場所よりははるかにマシだと思い、それを耐えていた。 作家は以前、小惑星「ペイン化粧品」から遥かに離れた地球という惑星の原住民だったがある時を境に住民であり続けることが困難になった。 理由は星の数ほど存在したが一

    • 箱人隣人

      隣人を初めて見た時まず安部公房が頭を過って、それから開けてみたいと思った。ぴったりと閉められた箱を。 誰だって思うことなんだろうけど、自分もそうだった。 今も鮮明に覚えているんだ、初めて会った瞬間を。 何の話かって? これから話すのは以前住んでいたアパートでの隣人の話だ。 そこの人、出来ればどうか聞いてほしい。貴方だ。 これはもしかしたら目の前の貴方にも関係があるかもしれない話なんだから。 隣人は一風変わった人物だった。外見からして周囲の人間と違っていた。 まず、頭部がダ

      • ここでやること

        これから小説や何かの感想などを置いて行きます。

      小惑星『ペイン化粧品』にて