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精神の旅:Anizine

大げさなタイトルですが、人と話していて何が一番面白いかというと、「この世には存在しないもの」を知ることだと感じます。

それを想像と呼んでも創造と呼んでもいいんですが、その人の独自の創作が見たいわけです。そうでなければその人本人と話す必要がありません。何かについての情報に詳しい人の話にウンザリするのはそこです。調べたいことがあれば今は情報が溢れていますから、自分で知ることができるのです。

ですから何かに詳しい人の価値はダダ下がりしています。ネットでは超一流の人が解説してくれます。アニー・リーボビッツが写真について語る動画がいつでも見られるのに、そこらへんのカメラに詳しいおっさんから何を学べというのでしょうか。

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しかし「そこにないもの」の話を聞くのは別です。アニー・リーボビッツが見た昨夜の夢より、近所のおっさんが見た夢の方が興味深い場合がある。それが誰とも競合することのない、創造の価値です。ネットに溢れる様々な情報は、まず「あなたに独特な価値は作れないでしょうから」という前提で始まっています。悲しいことに情報の受け手も同じことを考えています。なのでどうしてもメルカリで買った本をちょっとだけ高く売る副業、みたいな方法しか学べないのです。

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Anizine

¥500 / 月

写真家・アートディレクター、ワタナベアニのzine。

多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。