納得の沸点：PDLB

体系的な知識がないと何が起きるでしょうか。多くの場合、雑多な断片情報を集めることになります。そこにある「断片」はビジネスの手法として恣意的に希釈され、拡散された都合のいいもので、いくつかの特徴があります。

まず、従来の知的体系の逆を行くもの。これに触れて聞きかじると「今までの私の常識は間違っていたのだ」と驚き、信じることになりますが、ビジネスとしてはそれが狙いです。皆が信じていた反対の事を言う、という一番簡単な方法は効果があるのでよく使われます。

二つ目は「どう考えても連動しない科学的なエビデンス」と強引に結びつけることです。これは統計の手法と同じで、データの解釈の方法を変えて、そこにエビデンスがあるという部分だけを信じさせる方法です。科学や統計を少しでも学んだことがある人々なら、これらの『初歩的な捏造』が簡単に行われる危険を誰もが知っています。

人々の行動の大部分はつねにネガティブなものから生まれます。世の中にあるたくさんの広告を観察してみてください。学習塾、婚活、ダイエット、脱毛、増毛、整形、占いなどはすべて「足りていない悩み」とともにあり、ここを刺激されると誰もが救いを求めてお金を出すことになります。現状のマイナスをゼロに戻したいという欲求は心情的に理解できるのですが、そのついでに『プラスの甘言』を付け加えられることがあります。ここが問題なのです。