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一粒万倍日:Anizine

俺たちが若い頃って、たとえば「一粒万倍日」なんていうのにほとんどの若者が興味を持っていなかったよね。若者の口からその言葉を聞くたびに、なにか自分の能力じゃなくて「神秘的なもの」に頼っている傾向を感じる。お年寄りが宗教や神秘に傾いていくのは人生の機微を知り、自分に状況を打開する物理的なチカラがなくなっていくからだとわかるんだけど、ある頃から若い人の多くが老人趣味(言い方は失敬だけど)のようなものに感化されているように思えてきた。それはどんな変化なんだろう。

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誤解がないように言っておくと、宗教や神秘に対する感覚は繊細さに直結していると思っている。自分たち人間の能力の限界を遥かに超えたチカラが、頭の遥か上の方で支配していることをリアルに感じられる感覚。それが謙虚さに結びつけばいいんだけど「神頼み」だけになるのは年齢も関係しているはずだ。

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Anizine

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写真家・アートディレクター、ワタナベアニのzine。

多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。