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本を書いています:PDLB

写真についての本を書いています。今まで写真に関する原稿の依頼はいくつかあったのですが、とても自分のように写真家としての実績も何もない者が写真のことを書くなどおこがましいので無理です、と断っていました。しかし今回は「教則本」の類いではなく、「写真に興味を持った青年の成長譚としてのフィクションを書けばいいのだ」と割り切ったので、どちらかと言えば小説に近いものになっています。

自分たちの世代は、どんなに電子書籍が便利になろうと、物質としての紙の本から受けた影響を無視することができません。出版というのは大量の紙とインクを巨大な印刷機にかける、この著者に賭ける、という出版社の覚悟の表れでもあると思っています。ウェブにこうして書くことは「質量とコスト、ゼロ」なのですが、手に取れる本を印刷して書店に並べることとはやはり違っています。

自分が書いた文章が本になって流通し、見知らぬ誰かの手に渡るという幸運な経験を『ロバート・ツルッパゲとの対話』でしてしまったことで、ウェブで書くことと本になることの違いは肉体感覚として、より強固なものになりました。まったく知らない人から本の感想が届くことや、自分が著者として名前を知っている人から「サインをくれ」と言われることも、出版していなければ経験できなかったことです。

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多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。