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過去のうすらバカ:Anizine(無料記事)

何かを学び続けないと、偉そうになる。よく出くわすのは自分が何かの分野でひとかどの人物だと思い込んでいる人で、そういう人はあらゆる局面で審査員として、求められていない見解を述べる。ほとんどが40代後半から60代のおっさんなのだ。

成功しているのならサントロペの別荘でテニスでもしていればいいと思うんだけど、若者が必死にもがいているところに出没して、「だから若いやつはダメなんだよ」とか「俺たちの時代はもっと過酷だった」とか言う。

彼らは言い終わるとどこかに消えていく。言いたいだけだからだ。困っている若者にダメ出しをするくらいなら現金でも出してやればいいのにと思う。つまり、その手の人は「それほど報われていない人」なのだと思っておけばいい。まともな大人は必ずチカラを貸してくれる。ダメ出しをしたとしても助言だけではなく助力をしてくれるものだ。それをせずに言い逃げするのはただのおっさんのストレス解消だと無視すればいい。

自分がそうならないためにしていることがある。

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それが「学び続けること」だ。知らないことを学んでいると、知らなかった昨日の自分がバカに見えてくる。だからといって今も知らないであろう人を見下してはいけない。見下すのは昨日の自分だけでいい。なぜ俺は今日までこれを知らずに生きてきたんだろうと気づくために学び、自分が囲まれていた世界がどれほど狭かったのかを再確認する。

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目下のところ俺が張り切っているのは英語の勉強で、年間の1/3を外国で過ごしていた以前の生活でも、まったく英語ができないままムードとバイブスだけで乗り切っていた。それでは遺憾ということで何度目かの英語の勉強である。今回は死ぬ気でやっている。風呂の中でも英文法解説のYoutubeを観ている。

何かができるようになるという「ご褒美」を得るためには修行が必要で、少しの努力では僅かなご褒美しかもらえない。大きくならないうちにもぎ取るインスタントな果実のことばかり考えていると自分の求める世界がどんどん小さくなるから気をつけている。セコいご褒美に喜びたくないという感覚が俺を突き動かしていて、それが大きければ大きいほど過去の自分はうすらバカに見えてくるのだ。こんな楽しいことがあるだろうか。

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多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。