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「言葉.zip」

言葉を短縮して話すと頭が悪く見えるから、ご希望の方はゼヒお試しあれ。「なぜ短縮するか」に根拠がない場合はできるだけしない方がいい。

わかりやすい単純な例で言えば「ソフバンで機種変して写メ撮ってたら壊れてたから、スクショした」みたいなの。この人が学校で一番勉強ができる人である可能性は低い。

英語のような表音だとCIAやFBIのようにイニシャルを取るからこれはまあいい。でも日本語のように単語を分解しても意味が残ってしまうものは、残し方が妙だととても気持ちが悪い。

スクショなんかは、英語を分けられない部分で分けているからもっと居心地が悪い。インターナショナルスクールを「インター」などと言う人もいるが、そこには国も学校もなくなっている。

英語は長いから略すのだ、と主張する日本人もいる。でも英語を話す人にとってインターナショナルスクールは1秒くらいで言う言葉で、長くないのだ。英語はさておき、日本語でも「キモい」の中には「悪い」「良い」という意味が含まれていない。関ジャニからは「東」と「西」という最重要部分が欠落している。俺は詳しくないのでわからないけど、下関のグループなのかもしれない。

新しい言葉や短縮した言葉は、理解を浅くするという欠点がある。安倍首相の経済政策をまったく知らない人でも「ああ、アベノミクスね」と言うし「ゆとり世代」や「断捨離」なんかも同じだ。知った風に聞きかじりのキーワードを言うのが大好きという人種は大宅壮一さんの時代からずっといて、それは仕方ないと思うけど、俺は好きじゃない。

30分の出来事を30分かけて話しても伝わらないことがある。でも「あの人はKY」とか言っておけば伝わったことになるコミュニケーションもあるのだ。「5分でわかるEU離脱」とか。わかるはずがないけど。

もっとバカっぽいのは、もし「スクリショ」と言った人がいたら「何それ」とバカにする人がいるだろうというパロディのような事態だ。飽きたのでとりあえず、コンビニエンスストアに行ってきます。

多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。