見出し画像

35歳を過ぎたら:Anizine

人の能力は35歳くらいがピークなのではないかと思っています。勘なのでエビデンスはないんですけど。振り返ってみると35歳くらいの頃って、仕事の能力と経験が一通り身についていて、体力や気力も十分にあって、文句なしに最強だと感じます。

たとえば、小学校三年生くらいが「自分なりの思いつき」をしたとして、大発見だと思って中学生のお兄ちゃんに説明します。するとお兄ちゃんは「そんなの常識だし発見でも何でもないよ、バカか」と言うわけです。その中学生のお兄ちゃんも自分なりの発見を高校生のお姉ちゃんに言うと「マジでそんなの常識なんですけど。バカなの」と言われてしまいます。この三人は年齢ごとに知識の量が違うのでこうなります。もちろん高校生のお姉ちゃんも親に大人びた口答えをすると、「ああ、私も高校の時にそんなバカっぽいこと言ってたわ。思い出すと恥ずかしいからやめて」と言われてしまします。

これだけでは、ただの年功序列の経験主義になりますけど、ここで言いたいのは、その順序が生きているのは35歳くらいまでだってことなんですよ。経験の貧困な50代は、経験豊富な35歳の人にはすでに太刀打ちできません。つまり人間としての成長は35歳くらいまでで、それ以降は経験の反復による「幻想の経験値」にすり替えられているのです。

0歳から35歳までは心身共に向上していくので、10歳と20歳、20歳と30歳の能力差は歴然としています。しかしそれから先はほぼ知識量などの変化はなく、体力は下降線を辿っていきます。間違いなく感じていた「年齢による経験値の差」が35歳以降は通用しなくなる。大事なのはここからです。

ここから先は

600字

Anizine

¥500 / 月

写真家・アートディレクター、ワタナベアニのzine。

多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。