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停滞を切り拓く:Anizine

尊敬する仕事ぶりの人がいる。世の中の評価とは別だ。世の中で評価されるには、多くの場合「世の中で評価される」という目盛りのところに意識のダイヤルを合わせないといけないので、その行為がちょっとマイナスに見えることもある。基準は自分の中だけにあって、痩せ我慢ではなく世間の評価とは関係がない。そもそも俺は太っているので「痩せるのを我慢している」という意味なら正しい。

尊敬する友人を観察していると共通することがいくつかある。みんな埼京線だ。つねに既成概念を超えた新しいことをして停滞を切り拓いている。俺は昨日と同じことをしていていいのかと、頭髪過疎化の頭から氷水をかけられる気分になる。そういう友人の存在はありがたい。

SHELL and JOINT

「50代を過ぎると人生の結果発表のような事態に陥るから、それに抗う」と平林監督がnoteで書いていた。毎度のことだが、こうした彼らの発言が限界集落の俺の頭部と瞳を濡らす。若い頃にどうしようもねえなと思って忌み嫌っていたおっさんになってしまっているマイセルフに気づく。怪我をして治りかけのカサブタを剥がすように、怪我をした事実を何度も思い出さなければならない。なかったことにしてはいけないのだ。それを埼京線たちは教えてくれる。

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Anizine

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写真家・アートディレクター、ワタナベアニのzine。

多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。