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つながってんの:博士の普通の愛情
友人に「この前マサオさんと会ったんですよ。食事に行きましょう」と言われ、「へえ」と答えたものの、それ誰だったかなと思い出せないまま店に行きました。
テーブルには友人と、ミカさんという若い女性。この人はかろうじて見覚えがあります。何かの集まりで会ったのだと思いますが、一度パーティで会ったというだけでは友だちではありませんし、さらにマサオさんというよく覚えていない人もこれから来るのかと思うと、少し憂鬱になりました。
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レストランの食事は美味しかったので、ミカさんのうるさい喋り方もあまり気にせず、目の前の皿だけに集中していました。この友人はどちらかと言えばパーティ種族で、誰かと誰かがソーシャルメディアでコメントし合うと「お、ここ、つながってんの?」というタイプです。大変迷惑なんですが、一度私も、つながってんの発言をされました。繋がってるも何も30年前の私の同僚ですから、パーティで知り合ったくらいの関係の人に、つながってんのと聞かれるいわれはありません。
マサオさんが面倒臭い人じゃなければいいなと思っていると、ミカさんが名刺を出してきました。イラストレーター・脚本家、とハイブリッドな肩書きが書かれ、裏には色鉛筆で描かれた、あまりいい絵とは思えないものが印刷されています。長く見ていると悪いことが起こりそうな絵だったのでもう一度名刺を裏返すと、やっと事態が飲み込めました。
多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。