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ボストン生まれの俺:Anizine

中年になってから真面目に取り組む語学。「挫折」のふた文字が透けて見えるという人もいるだろうが、そうはamazonが卸さない。今回は意気込みがまったく違うのだ。

今の状況で外国に行けないならそれをいい機会だと思った方がいい。しょっちゅう外国に行っているとその場で日常会話に困らないだけで満足してしまうんだけど、それでは何の進歩もない。もうひとりの「ボストン生まれの俺」がパラレルに育つようにしたいのだ。もちろんこどもの頃から英語を話す環境にいれば問題はないんだけど、この年齢までどっぷりと日本語に浸かってしまっているので簡単にはいかない。でも簡単にはいかないだけで、最終的にはいくことができると信じている。

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歳を取ってから外国に移住した人で、ずっと現地の言葉が話せない人がいる。年齢のせいと開き直るけどそれはただの言い訳だ。スーパーで買い物をするような最低限の言葉だけを憶えれば生きてはいける。日本人でも同じように、こどもの頃におぼえた日本語だけで生きている人がいる。何を見ても「最高」「最低」としか言わない人がいる。その人たちは日本語という言語を高度に使っていることにはならず、海老を食べれば「プリプリしてる!」という典型的なスイッチ・ワードを言ってみせるだけなのだ。だから俺はアメリカ人であろうが、英語で「最高」と「プリプリしてる!」と言えるだけの人を「英語ができる人」だとは定義していない。前にも書いたけど、中国・ハルビンで生まれ、後天的に日本語を勉強して芥川賞をとった楊逸さんが目標である。

さて、中年もしくは初老の俺がどういう勉強をしているかを記す。

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Anizine

¥500 / 月

写真家・アートディレクター、ワタナベアニのzine。

多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。